なぜユースビオ?加藤厚労相が語った経緯
今年度の補正予算案をめぐる国会論戦では、政府が配布を進める布マスクについてもとりあげられました。野党は、妊婦向けに配られた布マスクの納入業者のうち、1社だけが27日まで公表されなかった事などを追及。国会答弁で加藤厚労相が語った、業者選定の経緯とは?
■ユースビオ社長「癒着はしていない」
政府が配布をすすめる、いわゆる「アベノマスク」。安倍首相はこの布マスクを、みずから洗濯して使っているといいます。
その布マスクをめぐって、28日の衆議院・予算委員会で立憲民主党・大串議員は「つけさせていただいて小さいなという感じもしますし、横が開くなという感じもします」と発言。
その後、大串議員が「息がしづらい」と途中でマスクを変えると、安倍首相は「私ずっとしてるんですが、全然息苦しくはございません。意図的にそういったおとしめるような発言はやめていただきたい」と反応する場面もありました。
野党は、布マスクを納入した会社の1つについて追及。やり玉にあがったのは、「ユースビオ」という福島市内の会社。資本金は1000万円で、他に妊婦用マスクを納入した伊藤忠などの3社に比べると小規模の会社です。
野党は、3月の時点でこの会社の定款には「マスクの製造・輸出入」などは書かれていなかったと指摘。なぜ、ユースビオが選ばれたのか経緯をただしました。
立憲民主党・大串議員
「貿易および輸出入代行業、4月になってから定款に入ってるんです」
「なぜここだったのかいうことがどうもはっきりしないんです。なんせ5億円を超える契約ですから、どういうルートだったんだって皆思いますよ」
加藤厚労相
「広く経産省のほうから声をかけていただく中から、声を上げていただいた」
立憲民主党・大串議員
「(ユースビオの写真を見ると)縫製工場を持ってらっしゃる雰囲気でもない。よほどのルートがないと、こういうところに行き着かないと思うんです」
加藤厚労相
「納入していた実績がある社だけを対象にしていたんでは、入手できないんです」
加藤厚労相はこう述べた上で、ユースビオが納めたマスクについて不良品はみつかっていないと説明しました。ユースビオの社長は日本テレビの取材に対し、適正な価格で受注したとしていて「癒着はしていない」としています。
■まだ少ないPCR検査 政府の答弁「2ヶ月前と同じ」
一方、立憲民主党の枝野代表がただしたのは、PCR検査の数が少ないと指摘されている問題。
27日に厚労省が発表したデータによれば、相談センターによせられた相談件数のうち、PCR検査が行われた件数はおよそ9%。検査を受けたくても受けられない、との声もあがっています。PCR検査数をめぐる答弁のなかで、こんなやりとりが。
立憲民主・枝野代表「総理は責任感じませんか」
安倍総理
「(PCR検査の) 能力を暫時、あげてきているところでございます。医師がPCR検査をする必要があると判断した患者の方については、PCR検査が受けられるようにしていかなければならない」
立憲民主・枝野代表
「2カ月前からおっしゃってることの繰り返しなんですよ」
「保健所のキャパシティの問題なんですか。検体をとるお医者さんが足りないんですか」
加藤厚労大臣
「一つ一つ(問題を)解消しながら1番大事なことは、必要と判断された方がしっかりと検査が行っていける、こういう環境を作っていくことだ」
新型コロナウイルスの政府対応をめぐる論戦は、あすも続きます。
※2020年4月年4月28日放送『news every』より