要件満たせば“未除染でも避難指示解除”へ
東京電力・福島第一原発事故を受け、立ち入りが制限されている帰還困難区域について、政府は、除染をしていない地域でも放射線量が基準を下回ったなどの要件を満たせば、立ち入り制限を解除できるよう、最終調整していることがわかりました。
政府は、放射線量が年間20ミリシーベルトを超える地域などを、立ち入りを制限する避難指示の対象にしています。この避難指示を解除するには、放射線量が年間20ミリシーベルトを下回ることや、除染が十分に進むことなどが要件となっています。
こうした中で、避難指示の対象地域がある福島県飯舘村は、ほとんどの地域で放射線量が基準を下回っていることなどから、除染をしていなくても避難指示の解除を認めるよう、政府に求めていました。
これを受け、政府は、放射線量が自然に基準を下回った地域については新たに、自治体の要望があることや、人が住まないことなどを要件に、除染が行われていなくても避難指示を解除し、立ち入りを認める方向で検討していることがわかりました。
政府関係者によると、今後、原子力規制委員会にこうした新たな要件で避難指示を解除することが安全性の面で問題がないかなどを諮る方針で、来年度の実現を目指して調整しているということです。