内閣改造 女性「5人入閣」どう評価?「継続できるかが重要」「男性がガラスのげたを脱ぐ」
●過去最多タイ、でも…
今回の内閣改造では閣僚19人のうち5人が女性となった。これは2001年の第1次小泉内閣、2014年の第2次安倍改造内閣と同じで過去最多タイだ。しかし世界には「パリテ(男女同数)内閣」の国もある。カナダでは2015年以降、男女がほぼ同数の内閣が続き、ドイツのショルツ首相は2021年の就任時に閣僚の5割を女性にしている。世界から見ると19人のうち5人女性というのは決して多いわけではない。
●カギは“継続”
専門家はどう評価するのか?『さらば、男性政治』などの著書で知られる上智大学法学部の三浦まり教授の見解は…。
「女性閣僚が少ないと自民党が批判されてきたから、選挙を意識し支持率回復の布陣に見える。実際、直近の国政選挙や統一地方選では自民党の重鎮男性議員が、若い女性に敗れることもあった。世の中の流れとして女性への支持は高まっている。今回、閣僚に女性が多く入ることでメディアも取り上げる。若い人も入り、自民党のイメージ復活に繋がるだろう」
「一方、自民党の女性活躍分野における最大の問題点は、一度はやれるが長続きしない点。真の女性活躍は、今回の『5人入閣』が次の内閣改造でも継続されるかが焦点となる。女性閣僚は、注目もされるが叩かれやすい。岸田政権や自民党が女性に対する偏見を払拭できるよう振る舞い、ジェンダー平等の政策を実行できるか、次の女性活躍へと繋いでいけるかどうか。それこそが真の女性登用であるということを忘れてはいけない」
●「男性が『ガラスのげた』を脱ぐ必要」
13日に退任し、ジェンダー平等部門も担当していた小倉将信・前こども政策担当大臣は、男女平等について以下のように述べた。
小倉将信 前こども政策担当大臣
「残念ながら我が国の場合は政治もそうだが、経済分野においても、 多くが男性が意思決定層を占めている。男性の意思決定層が、男性か女性かというような二項対立に陥ることなく、むしろこれまでその性別差によって、 男性が能力のある女性の活躍の幅を、活躍の道を阻んできたという認識に立って社会全体で女性が活躍ができるような環境を整えていくと。そうすることが、女性の方だけではなくて、 男性、ひいては社会全体の豊かさ、活力に結びつくということを、 やはり肝に銘じなければいけないというふうに思っています」
「ジェンダー平等の観点ではガラスの天井という言い方をされるが 重要なのは男性が今なおガラスのげたを履いているということ。我々男性がガラスのげたを脱ぎ女性の活躍を阻んでいるガラスの天井を同時に打ち破っていく。この両方の観点があって初めてジェンダー平等を実現できるのではないかと思う」
女性閣僚5人という永田町の変化が「継続」するのか。ジェンダー平等政策のために、男性も変化できるか。長い目でチェックすることが求められている。