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【解説】「ポスト岸田の号砲なった」岸田首相に“3つの衝撃” 総裁選に不出馬求める声

2024年6月24日 21:44
【解説】「ポスト岸田の号砲なった」岸田首相に“3つの衝撃” 総裁選に不出馬求める声

国会閉幕と同時に岸田首相への退陣論が噴出しています。口火を切ったのは菅前首相で、9月の総裁選に向けたキーマンの発言だけに、衝撃が広がっています。また、この菅前首相の発言を含めて“3つの衝撃”が週末、岸田政権を襲いました。政治部官邸キャップの平本典昭記者が、3つのポイントについて解説します。

森圭介キャスター
「この菅前首相の発言を含めて、3つの衝撃が週末、岸田政権を襲いました」

●内閣支持率“最低”23%
●若手議員が「首相退陣論」
●菅前首相「交代論」発言の狙い

■内閣支持率“最低”23%…政府関係者「出鼻をくじかれた」

森圭介キャスター
「まず1つ目の『内閣支持率が最低23%』の衝撃について、どう受け止められていますか?」

政治部官邸キャップ 平本典昭記者 
「岸田内閣の支持率が、週末のNNNと読売新聞の調査で23%と、政権発足以来『最低』を更新しました。『再スタートを切ろうとした矢先に出鼻をくじかれた』とある政府関係者は話しました」

「というのも、先週、150日間にわたる『防戦一方』だった国会が閉幕し、岸田首相としては9月の総裁選再選に向けて『攻め』に転じようとした矢先だったからです。首相周辺は『耐えるしかない』と苦しい胸の内を語りました」

「別の政府関係者は『国会閉幕の会見で、政権浮揚に向け、新たな経済政策を打ち出した直後に支持率が下がったのはショックだった』と衝撃を語りました」

■若手議員が「首相退陣論」 どのような発言だった…?

森キャスター
「では、2つ目の衝撃についてです。若手議員が『首相退陣論』。これは、どういった発言だったのでしょうか?」

平本記者
「発言した若手議員とは、衆議院当選1回の東議員です。具体的には『岸田総裁には再選など口にしないでほしい』と。会社に例えると、新入社員が社長に向かって『辞めろ』と言ったわけで、社長である岸田首相の求心力低下を象徴するような発言でした」

「もう1つ、気になるのが、この発言の背景にいると複数の議員から見られている人物の存在です」

「それは党のNo.2、茂木幹事長です。それはこの新人議員が、茂木派である事と、発言が茂木幹事長がすぐ横にいる場での発言だったからです」

森キャスター
「茂木幹事長といえば、ポスト岸田の候補の1人ですよね。その茂木さんと同じ派閥の議員の発言だったわけですね」

平本記者
「実は先週、岸田首相が不信任案が出た直後の自民党の会議に出なかったことに『なぜ、総理は来ないんだ!』と公然と批判した議員がいました。この議員も実は茂木派の議員でした」

「それだけに同じ茂木派のベテラン議員からでさえ『茂木さんが“岸田おろし”を仕掛けているように見られても仕方がない』という声が出ています」

■菅前首相「交代論」発言の狙いは…

森キャスター
「さらに3つ目の衝撃発言、菅前首相が岸田首相の『交代論』について語ったということですが、この狙いはどこにあると捉えられるでしょうか」

平本記者
「さきほどの議員が新入社員だとしたら菅前首相は、前社長です。新入社員に加え、前社長からも交代しろと、若手からもベテランからも『突き上げ』を食らったわけです」

「この動きに対して、ある自民党幹部からは、これまでにも党内議論など発言するチャンスはあったのに『今、言うのはおかしい』と冷ややかな見方も出ています。一方で発言の狙いについては、菅氏の側近議員は『“岸田おろし”の動きを加速させるため』、菅氏の周辺も『モードに入った』と話しています」

森キャスター
「『モード』というのは、どういうことですか」

平本記者
「どんなモードかというと、菅前首相が“岸田おろしのモードに入った”という意味のようなんです。実は今、9月の総裁選に向けた、党内で最大のキーマンは、菅前首相との見方が多いのです」

「なぜか─。それは9月の総裁選に向けた動きを整理しますと、まずこの人が一番だ、『ポスト岸田』という、皆目一致する候補というのは今いません。その中で、菅前首相が総裁選に出馬するといった、前面に出るわけではないのですが、候補の『後ろ盾』になったり、間を繋いだりと、ポスト岸田レースの『画を描く』存在として注目を集めているのが、菅前首相なのです」

「理由は、岸田首相と距離があること。さらに今『ポスト岸田』として名前があがる小泉さん、河野さんとは距離が近いです。加えて、石破さんとも連携を模索する動きがあり『菅さんが総裁選のカギを握っている』と見ている議員が多いからです」

「ですので、菅前首相が岸田首相の『交代論』に言及したことは、衝撃を持って党内では受け止めらたわけです」

「9月の総裁選まであと3か月近くありますが党内からは『一気にポスト岸田レースの号砲がなった』との声が出ています」