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【解説】岸田首相vs立憲・泉代表、一騎打ち対決の勝者は… 3年ぶりの党首討論

2024年6月19日 20:01
【解説】岸田首相vs立憲・泉代表、一騎打ち対決の勝者は… 3年ぶりの党首討論

19日、国会では約3年ぶり、岸田政権になって初めての党首討論が行われました。岸田首相と立憲民主党・泉代表の一騎打ちは、どちらに軍配が上がったのか? 政治部官邸キャップの平本典昭記者が3つのポイント、『岸田首相vs立憲・泉代表 “勝利”は?』『泉代表の“隠し球”は?』『岸田流“サプライズ発言”は?』について解説します。

■岸田首相vs泉代表 “勝利”は?

鈴江奈々キャスター
「まず、1つ目の『岸田首相vs泉代表 “勝利”は?』ですが、どちらに軍配が上がったと見ますか?」

政治部官邸キャップ 平本典昭記者 
「『お互いに決定打を欠いてどっちもどっちだった』という印象です。終わってから、与党の議員15人、野党の議員15人、合計30人に日本テレビ政治部が総力取材をしてみました。勝ったのはどっちか、10人が岸田首相、13人が泉代表、そして五分五分と答えた人が7人でした。具体的には、プラス評価は、泉氏に対しては『追及に迫力があった』。岸田首相に対しては、『発言に失点がなかった』という声がありました。マイナス評価としては、泉氏には『何か新しい答弁を引き出すことができなかった』。岸田首相に対しては『答弁が迷走していた』などという意見がありました」

「集約しますと、泉代表は、政治とカネの問題で一定程度、攻撃をしたが決定打には欠いたと。一方の岸田首相は、逆質問の形で憲法を出して泉代表を攻める姿勢を見せましたが、追及に真正面から応えていない姿勢も目立ち、『お互い、決定打に欠いた』という印象です」

■立憲・泉代表の“隠し球”はあったのか?

鈴江キャスター
「決定打に欠いたという中ですが、泉代表は解散を迫ったのに対して、岸田首相もかわしてしまったという流れもありました。2つ目のポイントで、泉代表の“隠し球”というのはあったんでしょうか?」

平本記者
「討論の前、泉代表が周辺に対して『岸田首相がびっくりするようなことを言う』と、“隠し球”があると言っていました。私も泉氏に月曜日に取材する機会があったので、『どんな隠し球があるのか』と聞いたんですが、手の内を明かさないと直前まで教えてくれませんでした。その“隠し球”がいったい何だったのかという討論ではありました。ある自民党議員は『隠し球は最後まで隠したままだったね』というふうに言っていました」

鈴江キャスター
「結果、何だったかわからないまま時間切れになってしまったというところなんでしょうね」

■岸田首相“サプライズ発言“はあったのか?

鈴江キャスター
「そして3つ目、『岸田流“サプライズ発言”は?』ですが、党首討論なので、岸田首相から攻めることもできる場ではあったと思いますが、サプライズ発言は、どうだったんでしょうか?」

平本記者
「逆質問で憲法はありましたけれども、サプライズといえる発言はなかったと言えます。実は岸田首相は、19日は朝から来客ゼロで、執務室でずっと党首討論のシミュレーションを続けていたそうです。スタートする前は、もしかしたらサプライズがあるのではないかという声が与野党から上がっていたんですが、結果としてはなかったと」

「どんな声かといえば、内閣支持率の低迷も続いて、自民党内では今の国会内での衆議院の解散は難しいという見方が広がってはいるんですが、そうした中で、19日の党首討論などの場で岸田首相が『解散』を表明するのではないかという見方がくすぶってはいました」

鈴江キャスター
「くすぶっていた背景には、何か考えられるのでしょうか?」

平本記者
「これは2つの理由がありまして、1つ目は、過去にも党首討論でも突然、解散を表明したケースがありました。今から12年前、時の野田首相が突然、解散を表明しました。その時と状況が似ていることが1つ目です。2つ目は、岸田首相の過去の行動分析からですが、去年12月の派閥の解散、そして、2月の現職首相としては初の政倫審への出席。いずれも事前の説明なしでのサプライズ発表でした。この2つの理由から、与野党から『岸田首相がサプライズで解散を言い出すのでは』という声が上がったんですが、19日のサプライズの発言はありませんでした」

■不信任案を受けて解散? 可能性は…

鈴江キャスター
「こういう形で党首討論は終わりましたけれども、岸田政権は支持率が低迷するなど厳しい状況が続いています。局面打開に向けての次の一手というのは、何か考えられているんでしょうか?」

平本記者
「立憲民主党は19日の党首討論を受けて、20日に岸田内閣の内閣不信任決議案を提出することを決めました」

桐谷美玲キャスター
「岸田首相は、19日に解散発言はしなかったですが、この不信任案を受けて解散をすることはありえるんでしょうか?」

平本記者
「これも基本的には、自民党内には解散なんて無理という声が広がっていますが、19日と同じで、岸田首相が不信任案の提出を受けて解散表明をするのではという声がくすぶってはいます」

「局面打開の具体策としては解散や人事がありますが、今、自民党内には解散はもちろん、求心力が低下した岸田首相には人事を行うのも難しいという見方が広がっています。ある政権幹部は『もう政権はもたない』と退陣論を口にする人さえ出てきてはいます。政権に閉塞(へいそく)感が漂っていますが、岸田首相がどんな一手を打つのか、時間の経過と共に選択肢が減っていくことになりそうです」

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