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【解説】自民アンケート結果…野党反発 “裏金”使い道示されず

2024年2月13日 18:05
派閥の政治資金をめぐる事件で、自民党は党所属の全議員に対し行ったアンケートの結果を13日、野党側に提示しました。しかし、野党側は内容が不十分だと批判しています。今後の焦点は、どこになるのか。3つの疑問を政治部官邸キャップ・平本典昭記者の解説です。

■日テレ独自取材 “使い道”最多は「事務所で保管・未使用」

アンケートについて野党からは「結局こんなものか」という声が多く出ています。

というのも今回、過去5年分の不記載金額は明らかになりましたが、使い道については一切、触れられていません。野党側は「肝心の使い道を調査してないのは不誠実だ」と批判しています。

主な使い道について、日本テレビでは独自に取材をしています。これまでに判明した87人のうち、26人が「事務所で保管・未使用」、続いて、20人が「事務所経費・会合費等」、22人が「不明・未回答」となっています。

――使い道について、何年分のお金を事務所で保管していたのでしょうか。

対象は5年分で聞いているので、5年分全部か1年分かは、まだわかっていませんが、少なくとも使わずに事務所で保管をしていたという議員が多く出ているというのが取材の結果です。

■「ゼロ回答」の今後は?「聞き取り調査」「政倫審」がカギ

自民党のアンケートで、使い道については書かれていませんでしたが、「ゼロ回答」は許されません。今後、注目は2つあります。

1つ目は、13日に発表された自民党のアンケートとは別に行っている、自民党幹部による「聞き取り調査」の結果です。週内に公表する予定で、この調査では使い道についても聞いているそうなので、どこまで詳しい中身が出るかが注目です。

2つ目は、野党側は自民党が話さないなら「国会で、やりましょう」と言っています。それが「政倫審」です。

政倫審は「政治倫理審査会」と呼ばれ、政治とカネの問題などで疑惑を向けられた議員に事情を聞く、国会の場の一つになっています。

■「政倫審」開催の高いハードル

政倫審が開かれるかどうかには2つの条件があり、かなりハードルが高いといわれています。

1つ目の条件は、構成メンバーの3分の1以上が「開いてください」と申し立てた場合。2つ目は疑惑を指摘された本人が「自分が出ます」と申し出た場合です。

自民党幹部は「与党が開くと言わなければ開けない」と、開くのは簡単ではないと話しています。なぜかと言えば、野党議員だけでは構成メンバーの3分の1に達していないということと、疑惑を指摘されている安倍派幹部の一人が「自分は何も言われていない」と話すなど、非常に「後ろ向き」な議員が多いためです。

■“裏金”議員への処分は…首相は後ろ向き?側近「恨まれたくない」

今後、処分を決めるのは、自民党総裁の岸田首相ですが、先週の段階では「実態を把握してから検討する」と話していました。まさに今週、その実態の把握にメドがつくわけですから、「処分を決める」フェーズ、段階に入っていくと思います。

が、ここにきて岸田首相が実は「処分に後ろ向き」だというのです。ある政権幹部は「処分を決めるのは難しい」。その理由について、ある首相側近議員は「次の総裁選もあって、安倍派に恨まれたくない」などと話しています。

国会が始まった頃は「処分は当然」という声が多かったのですが、ここにきて多くの党幹部が「慎重な姿勢」に傾いているのが、取材をしていての実感です。

岸田首相は「国民の信頼を回復」するために政治刷新に取り組むとしていますが、世論と「ズレ」が広がれば、信頼回復どころか、さらに政治不信を招く事態にもなりかねません。