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【独自取材】自民党“裏金”リスト86人 最も多い使い道「事務所で保管」 脱税の可能性?

2024年2月10日 16:25
【独自取材】自民党“裏金”リスト86人 最も多い使い道「事務所で保管」 脱税の可能性?
自民党派閥の政治資金をめぐる事件で、派閥からキックバックを受けたり、パーティー券収入の一部を中抜き・プールしたりするなど、いわゆる“裏金”を受け取っていたことが分かった自民党議員は何人いるのか。そして“裏金”の使途は。日本テレビが緊急取材。(2024年2月9日時点)

■“裏金”の実態を日本テレビ独自調査

自民党の派閥の政治資金をめぐる事件で、派閥からキックバックを受けたり、パーティー券収入の一部を中抜き・プールしたりして収支報告書に記載していなかった議員の存在が明らかになった。自民党は安倍派や二階派の議員に対する聞き取り調査に加え、全ての国会議員を対象にしたアンケートを実施したが、結果はいまだ公表されていない。

こうした中、日本テレビの独自取材で“裏金”化したカネを受け取っていた自民党議員は86人にのぼることが判明。注目の使い道については、“裏金”を使わずに保管したと回答する議員が最多となった。“裏金”に手を付けていなければ使途を報告する必要はなくなるが、同時に脱税に当たる可能性も指摘されている。

■“裏金”1000万円以上が21人

2月8日現在、日本テレビの取材でいわゆる“裏金”を受け取っていた自民党の安倍派・二階派議員は86人いることが分かった(うち4人は元国会議員)。東京地検特捜部の立件対象となった過去5年分の“裏金”額の内訳を見ると、86人のうち4000万円以上は3人、2000万円以上4000万円未満は6人、1000万円以上2000万円未満は12人、500万円以上1000万円未満は18人、100万円以上500万円未満は34人、100万円未満は13人だった。

以下、敬称略。

【*印の議員は、日本テレビの取材に対し5年分の額を公表しないため、収支報告書をもとに3年分のみを記載】

1 大野泰正(安倍派)5154万円
2 池田佳隆(安倍派)4826万円
3 谷川弥一(安倍派)4355万円 ※議員辞職
4 二階俊博(二階派)3526万円
5 三ツ林裕巳(安倍派) 2954万円
6 萩生田光一(安倍派) 2728万円 ※安倍派5人衆
7 山谷えり子(安倍派) 2403万円
8 堀井学(安倍派)2196万円
9 橋本聖子(安倍派)2057万円
10 中根一幸(安倍派)1860万円

11 杉田水脈(安倍派) 1564万円
12 世耕弘成(安倍派) 1542万円※安倍派5人衆
13 林幹雄(二階派)1512万円
14 宗清皇一(安倍派) 1408万円
15 福井照(二階派)1254万円 ※元衆院議員
16 長崎幸太郎(二階派)1182万円 ※元衆院議員、現山梨県知事
17 武田良太(二階派) 1172万円
18 平沢勝栄(二階派) 1080万円
19 衛藤征士郎(安倍派)1070万円
20 松野博一(安倍派) 1051万円 ※安倍派5人衆
21 高木毅(安倍派)1019万円 ※安倍派5人衆
22 和田義明(安倍派)990万円
23 宮本周司(安倍派)少なくとも974万円 *3年分のみ公開
24 簗和生(安倍派) 少なくとも924万円 *3年分のみ公開
25 柴山昌彦(安倍派)896万円
26 堀井巌(安倍派)876万円
27 小田原潔(安倍派)少なくとも844万円 *3年分のみ公開
28 関芳弘(安倍派)836万円
29 丸川珠代(安倍派)822万円
30 馳浩(安倍派)819万円 ※元衆院議員、現石川県知事

31人目以降の議員含む詳細は、以下サイトを参照。

■一体何に使った? 最多は「事務所で保管・未使用」

今回“裏金”が分かった86人の「使い道」は次の通り。最も多い「事務所で保管・未使用」は26人、次いで「事務所経費・会合費等」20人、「不明・未回答」22人、「政治活動費」12人という結果。

注目すべきは最多の回答となった「事務所で保管・未使用」だ。“裏金”に手を付けないままにしていれば、使っていないので、自らの政治資金収支報告書の「支出」欄で使い道を明らかにする必要はなくなる。

一方でこうした現金・預金などでの“裏金”保管は使途の公開とは別に、「課税」つまり税金の面で問題が起きうると指摘されている。手つかずのままになっていた“裏金”が政治団体の収入であれば「政治資金」として非課税の扱いになるのだが、国税当局によって議員個人の収入だと認定されると個人所得として税金がかかるのだ。野党側は「そもそも“裏金”になっている以上、政治資金ではなく議員個人の所得として扱うべきで、所得税の脱税に当たる可能性もある」と追及を強めている。

【“裏金”の主な使い道】

事務所で保管・未使用  26人
事務所経費・会合費等  20人
不明・未回答  22人
政治活動費  12人
その他の回答  6人

■3年分しか不記載額を明らかにしない議員も…

今回、日本テレビが独自に実施したアンケートや各議員に対する取材では、訂正した収支報告書が公開される直近3年分だけではなく、東京地検特捜部が時効にかからない範囲として立件した過去5年分の不記載額について質問した。

その結果、アンケートや取材に回答しないなどの理由で3年分しか不記載額を明らかにしなかった議員はあわせて19人にのぼった。今後、これら19人の議員について5年分の不記載額が明らかになると、いわゆる“裏金”の総額はさらに増え、ランキング上位に浮上してくる議員も出てくるとみられる。

また、萩生田前政調会長や高木前国対委員長のように自らの政治資金収支報告書を訂正したものの、使途や金額を「不明」とし、詳細を明らかにしない例も相次いでいる。

いまだに具体的な“金額”や“使い道”の全貌を公表していない議員には、自民党による聞き取り調査やアンケートの公表に先立って、速やかに正確かつ明確な説明をすることが求められている。