若者の3回目接種を促進“ワクワク割” 政府内では「名前でマイナスに引っ張られるのは…」との声も
政府は、新型コロナウイルスのワクチン接種でスポーツや映画のチケットが2割引きになる「イベントワクワク割」を検討しています。若い世代のワクチン接種を促すためのものですが、ここにきて慎重論が出てきています。
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7日夜、東京・有楽町にあるビアレストランでは、ビールと食事を楽しむ人々がいました。
大学生(23)
「やっぱりこうやって飲める場があるの、いいですね。特別感があるので」
会社員(23)
「コロナ前に比べたら頻度は少ない」
少しずつ、店も“以前の風景”に戻りつつあるといいますが――
ビアレストラン代表
「20代、30代の方が多くご来店いただいている。40代、50代、60代はコロナ前の状況には戻ってない。(どの年代にも)安心して来店してもらえるようなときが早く来ないかなと」
7日の東京の新規感染者は8753人で、一週間前の人数を上回りました。都の専門家は、“若い世代の感染が増加している”と指摘しました。また、会食による感染者は、前週の214人から今週は431人と倍増しています。
東京都 小池知事
「ワクチン3回目の接種ですが、特に20代以下の方々にお願いすると」
さらに、7日夜、岸田首相も――
岸田首相
「特に若い世代の方々に接種をうけていただくことが重要です」
実は、3回目のワクチン接種は、東京都では、全体の約半数の人が終えていますが、10代では6.9%、20代では26%と若い世代で伸び悩んでいる現状があります。
岸田首相
「感染症対策と社会経済活動を動かしていく。バランスを考えながら対策を進めていきたい」
3回目接種を促進するため政府が検討しているのが、「イベントワクワク割」です。対象となるのはコンサートやスポーツ観戦、美術館や映画館などで、「接種歴」や「陰性の結果」が確認できれば、2000円を上限に2割相当が割り引きされることが検討されています。
7日午後5時ごろ、東京・新宿で野球観戦にきた人に 「イベントワクワク割」について話を聞いてみました。
大学生
「イベント事とか好きな人は(ワクチンを)打つようになるんじゃないかなと」
大学生(18)
「自分もまだ(3回目を)打ってないが、そういうキャンペーンあるなら、近いうちに打とうかなと」
会社員(40代)
「東京在住だけど、ナゴヤドームまで足運んだりは、そういうキャンペーンあったら適用したい」
ただ、「イベントワクワク割」というネーミングについては――
会社員(40代)
「別にいいんじゃないですか、ワクワクするものですし」
「どこかの記事でみたけど、ワクワクって『ワクチン』からとったみたいですよ」
「それはなんなの?ちょっとふざけた?」
経済産業省の関係者は、「感染状況を見ながら、夏までには開始される見込みだ」としていますが、総理周辺からは「実施自体、総理が慎重になっている」という声も出てきています。
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有働由美子キャスター
「結局、総理は発表しなかったですね」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「ある官邸関係者なんですが、『なんか評判悪いよね。イベントワクワク割なのに、ワクワクイベントって違う名前で、ネット上でトレンド入りしちゃったりして。だから総理は言わないことにする』と話していました」
「もともと、『若い人の3回目のワクチン接種を促そう』という意図だったのに、イベント促進策にとられてしまったということで、別の関係者は、『名前でマイナスに引っ張られるのはよくない。経産省もGoToのイメージがあまり良くなかったから、名称変更したんだと思うけど』とぼやき気味でした」
有働
「ネーミングが難しいというのはありますけど、せっかく決めたのであれば、むしろ『これをいい機会だ』ということで、『どういう使い方ですよ。どういう狙いですよ』ていうのを説明するいいチャンスになったんじゃないかと思うんです」
(4月7日放送『news zero』より)