G7広島サミット開幕まで4日 “夫人外交”舞台裏に密着 「おもてなし」準備に自ら漆塗りも
G7広島サミットに合わせバイデン大統領が来日し、18日に日米首脳会談が行われることが正式に決まりました。G7広島サミットの開幕まであと4日。“おもてなし”の準備も着々と進められています。私たちは今回、大きな役割を担う岸田首相の妻・裕子さんに特別に密着させてもらいました。“夫人外交”の舞台裏は…。
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13日、海外などからの記者の拠点となる「国際メディアセンター」がオープンしました。会場では、“広島の味”として「お好み焼き」が振る舞われます。
アッツアツの鉄板に卵を落として溶きほぐし…キャベツの上に生地をのせ、ちょうどよく火が通ったら麺と一緒に卵の上へ…。岸田首相は広島の名物・お好み焼きを試食し、できばえに満足している様子でした。
岸田首相
「お好み焼きは温かいのが1番。外国の方も喜ばれるでしょう」
一方、サミットの会場では着々と準備が進められています。「グランドプリンスホテル広島」には12日、サミットで首脳たちが実際に座るテーブルや椅子が運び込まれました。広島の家具メーカーが作った木製の椅子は、背もたれと肘置きがつながっていて、首脳たちが左右を見ながら話す際に体を動かしやすい作りになっているといいます。
さらに、サミットで特別な“おもてなしプラン”を考えていたのは、岸田首相の妻・裕子さんです。ブルーのスーツで出迎えてくれました。
裕子夫人
「今回G7のために作ったんです。これをG7でも着ようと思います」
デニムの産地、福山市の「備後デニム」で作ったというスーツ。サミットではこのスーツで、各国首脳のパートナーをもてなすといいます。岸田首相も「パートナー同士の交流は、首脳外交にも良い影響を与える」として力を入れているのです。
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今回、私たちは、裕子夫人の“おもてなしの準備”に特別に密着させてもらいました。
裕子夫人は今年2月、広島市内の工芸品店を訪れました。
裕子夫人
「こんにちは。お世話になります。きょうは、よろしくお願いいたします」
パートナーたちへの贈り物の1つとして、「広島漆器」と呼ばれる漆塗りのおわんを選びにきたのです。打ち合わせを終えると工房へ向かい、手袋をつけます。
店主
「漆塗りはされたことは?」
裕子夫人
「いえ、ないです。ないです」
伝統を伝えるだけでなく歓迎の気持ちを表すため、自ら漆塗りを行うことにしました。
裕子夫人
「真ん中に?」
店主
「はい」
裕子夫人
「伸ばして伸ばして…」
真剣な表情で、1つ1つ丁寧に塗っていきます。おわんは重ね塗りを繰り返し、数か月をかけて先週、完成しました。
裕子夫人は「首脳の配偶者の方々に持って帰っていただいて、日本文化も広島のことも、そしてG7であったこと、平和のこともいろいろ話題になって、それが広がっていけばいいな」と話しました。
世界に日本の伝統や文化を発信する機会にもなるG7サミット。開幕は19日です。