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【解説】岸田政権…苦難の再スタート 3つの「裏側」とは

2023年12月14日 19:30
【解説】岸田政権…苦難の再スタート 3つの「裏側」とは

自民党・安倍派の裏金疑惑をめぐり、岸田総理大臣は14日、安倍派の4人の閣僚を交代させました。岸田内閣は新たなスタートを切りましたが、3つの「裏側」に焦点をあて、日本テレビ政治部・平本典昭官邸キャップが解説します。

【裏側・その1】人事“難航”の裏側

最も注目された官房長官人事で実は、意中の人に断られていたそうなんです。その人とは、浜田前防衛大臣です。

複数の関係者によりますと総理の側近、木原幹事長代理が密かに2日前に浜田氏のもとを訪れ官房長官を打診。浜田さんは「自分には荷が重い」と断ったそうなんです。

――なぜ、浜田さんが意中の人だったのか?

岸田総理側が人事でこだわったのは「無派閥」だったと言えます。

今回の人事のポイントはこれまで「派閥均衡型」と言われた岸田流人事がどこまで「派閥脱却型」にシフトできるか、が焦点でした。

特に官房長官は政権の顔で、「派閥色を払拭するためには官房長官を無派閥にすべき」という声は出ていました。さらに、官房長官には政策調整能力が必要です。

そのため、岸田総理は「脱派閥」の象徴として無派閥、そしてベテランで政策通、さらには同期でつきあいも長い浜田議員を起用したい、と思ったというわけです。

しかし、浜田さんに断られ、幻の「“無派閥”官房長官」人事となり、結果的に身内の岸田派・林さん起用となりました。

ピンチをチャンスに変える「攻めの人事」でなく、さらに傷を広げてはいけない、と結果的に「守りの人事」になった形です。

【裏側・その2】ぶっちゃけ発言の裏側

キックバックについて宮澤副大臣が13日、派閥から収支報告書に記載するなと指示があったと発言しました。周辺を取材すると、あの発言のタイミングの裏側には、宮澤さんがためていた「2つの怒り」が背景にあったようなんです。

1つは、岸田総理への怒りです。ある自民党議員は「安倍派だからという理由だけで、岸田総理が大臣、副大臣を更迭したということがあったのだろう」と。

もう1つは、安倍派への怒り。宮澤氏は周辺に「未記載はそもそも派閥の指示だったのに、なぜ自分が責任をとるのか」と安倍派への怒りをぶつけています。

ある自民党議員は、「安倍派の中に宮澤さんのように“ぶっちゃける”議員がこれから出てくるかもしれないね」と話しています。

自発的に裏金作りの組織性の一端を明らかにした点は評価される面もありますが、未記載自体は派閥の指示であろうがなかろうが宮澤氏の責任は重いと言えます。

■【裏側・その3】捜査本格化…裏側で

捜査が本格化する中、岸田総理がいま、「2正面作戦」を強いられ厳しい状況だというんです。2正面作戦、つまり2つの敵に向き合わなくてはいけないと。

1つ目の相手は、先が見えない検察の捜査です。

ある官邸関係者は「事務所の捜索、議員聴取などで今の閣僚、新しい閣僚に新たな問題が出ればさらに追い込まれる」と危機感を示しています。

もう1つが、安倍派との戦いです。

今回、岸田総理は安倍派一掃を検討しましたが、その「禍根」が残っていると。岸田総理側近議員は、安倍派幹部からこう脅された、と明らかにしました。「安倍派を本気で敵に回すのか。今はよくても、先はないぞ」と。「先」というのは9月の総裁選では応援しないという意味です。

岸田総理としては今回の人事をきっかけに反転攻勢を狙いたい所ですが、「検察の捜査」と「安倍派の反発」という2正面作戦を強いられており、まだまだ厳しい道のりは続きそうです。

(12月14日放送『news every.』より)