「太平洋・島サミット」首脳宣言 中国強く意識 経験者採用の首相通訳“初の国際会議”
太平洋の島国を招き開かれた「太平洋・島サミット」。首脳宣言は参加していない中国を強く意識したものとなりました。その理由とは。
今年で27年目を迎える「太平洋・島サミット」。
本番当日、総理官邸を訪れる1人の外務省職員の姿が。
外務省職員 小幡奈々江さん
「緊張はしています」
6年前、経験者採用で外務省に入省した小幡さん。今回、岸田首相の英語通訳として“初の国際会議”に臨みます。
小幡さん
「日本を代表して交渉や2国間関係に携われるのは非常にやりがいがある」
その「太平洋・島サミット」。
実は今、重要性が高まっていて、サミットの「影の主役は」この場にいない、中国でした。
太平洋の島国に進出する中国。経済や軍事の分野で影響力を強めています。
サミット直前、中国はわざわざソロモン諸島などのトップを北京に招きました。ある政府関係者は「日本と島国の関係を牽制した」とみています。
そして迎えたサミット本番。
小幡さん
「ふたたび議論を深めることをとても楽しみにしていました」
首脳宣言では、中国などを念頭に「武力による一方的な現状変更の試みへの強い反対」との文言が盛り込まれました。
NNNは、中国と接近するソロモン諸島の首相に本音を聞いてみました。
(Q:中国とソロモン諸島の関係をどう考えていますか?)
ソロモン諸島・マネレ首相
「私たちはすべてのパートナー国と連携しています。日本、オーストラリア、中国、すべてです」
「中国、日本ともに重要だ」とバランスを重視する外交姿勢が浮き彫りに。
外交の最前線に総理通訳として臨んだ小幡さんはどう感じたのでしょうか。
小幡さん
「総理や外務大臣の一番近くで最前線に立たせていただくなかで、自身として外交を今後日本としてどのように展開していきたいか、外交官としても成長していきたい」
外務省は今年度も、来月から小幡さんのような経験者の採用を行うことにしていて、いっそうの人材強化をはかる考えです。