循環器・脳脊髄センターや高校再編 あきたこまちRを議論
新年度の当初予算案を審議している県議会は、締めくくりの質疑が行われました。収支が悪化している県立の循環器・脳脊髄センターについて、県は新たにアルツハイマー病の治療などにも力を入れて、経営の立て直しを図りたい考えを示しました。高校の再編、あきたこまちRについても質疑が交わされ、佐竹知事が考えを述べています。
県立病院機構は、脳血管研究センターから2019年に名称を変更した「循環器・脳脊髄センター」、それに大仙市協和にある「リハビリテーション・精神医療センター」を運営しています。循環器・脳脊髄センターの医師の確保が進まないことなどから、県立病院機構は今年度までの5年間の収益が計画よりも80億円少なくなる見込みです。県が負担する運営費運営交付金は毎年30億円前後で推移していましたが、新年度は2つのセンター合わせて57億9000万円となります。
県は県議会に対し経営管理状況のチェック体制を強化するとともに秋田大学医学部附属病院などと連携しながら医師の確保に努め、経営の立て直しを図りたいと説明しました。県立病院機構は今後、新薬によるアルツハイマー病の治療などにも力を入れていくことにしています。
少子化により高校の再編が進む中、県議会からは、県内の産業により結び付く高校が必要だとして金足農業高校と由利工業高校を、県立大学の附属高校としてはどうかという声が上がっています。県や県教育庁はメリット・デメリットがある、などと答え、慎重な姿勢ですが佐竹知事は「まず研究して間口を開く、来年度検討を内部で進める方向」と、述べました。
県はコメの主力品種「あきたこまち」を、2025年から有害なカドミウムを吸収しない新品種「あきたこまちR」に全面的に切り替える方針です。ただインターネット上などでは農家に対する誹謗中傷や科学的根拠のない情報が飛び交っています。佐竹知事は丁寧な説明で理解を広めるととともに、悪質な誹謗中傷などには厳正に対処していく姿勢を示しました。