×

防衛省 概算要求額は過去最大5兆5947億円に

2022年8月31日 14:00
防衛省 概算要求額は過去最大5兆5947億円に

防衛省が来年度予算案の概算要求額を決定しました。

総額は過去最大の5兆5947億円にのぼり、さらにこれに加え防衛力を5年以内に抜本的に強化するため、金額を示さない「事項要求」の事業が多く盛り込まれています。

総額5兆5947億円のうちわけとしては、戦闘を維持する装備や能力が不足しているとの指摘が自民党などから出ている中で、装備品の維持、整備にかかる費用として1兆1288億円が計上されました。

また、弾薬の確保にかかる費用として1934億円が計上されました。

例年、防衛省の「事項要求」の事業は数件程度にとどまっていますが、ことしは、年末に「国家安全保障戦略」などが改定されるまで防衛力の整備に関する政府の方針が決まらないことから、多くが「事項要求」として計上されています。

事項要求の中には、相手の射程圏外から撃つことができる「スタンド・オフ・ミサイル」の「12式地対艦誘導弾」の改良型や、島しょ防衛のための「高速滑空弾」の量産を開始する経費が含まれています。

これにより、当初の予定より3年前倒しとなる2026年度に部隊への配備を開始できるということです。

こうした装備は、政府が保有を検討する、いわゆる「反撃能力」としての使用も念頭にあるとみられます。

さらに、攻撃に使用できる無人機を整備する経費も事項要求で初めて盛り込みました。

また、配備を断念した地上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の代替の装備である「イージス・システム搭載艦」については、弾道ミサイルだけでなく迎撃がより難しいとされる極超音速兵器などにも対応できるよう整備を進めます。

政府は、最終的な防衛費の総額について、年末に改定する「国家安全保障戦略」などを踏まえて調整していく方針です。