【ひと目で分かる政策比較】総裁選の争点「少子化対策」 各候補の主張は?
自民党総裁選の投開票まであと2日となりました。「news every.」では「ひと目で分かる政策比較」と題して各候補の主張を整理して伝えます。25日は「少子化対策」についてです。
少子化の現状ですが、去年1年間に生まれた子どもは約73万人で、8年連続で減少していて過去最少を更新しました。さらに、1人の女性が生涯に産む子どもの推計人数を示す合計特殊出生率も1.20と過去最低となっています。
こうした中、岸田政権は“次元の異なる少子化対策”の実現に向けて、支援内容や財源を示した「こども未来戦略」などを決定しました。直近3年で取り組む具体的な政策として児童手当の拡充、出産費用の保険適用の検討、保育士の配置基準改善などを盛り込み、今年6月の国会で法改正を成立させました。
この「少子化対策」について、日本テレビ政治部・自民党担当の本岡英恵記者が解説します。
政治部・自民党担当 本岡英恵記者
「今回の総裁選で『少子化対策』について意見は対立しておらず、どの候補も岸田政権が決めた『少子化対策』は基本的に継承する考えです。その上で各候補ごとに、より力点を置いている政策をグループ分けしてみました」
「まず、『結婚支援』を打ち出しているのが林官房長官、石破元幹事長です。林氏は『不本意な未婚の大きな原因は非正規雇用だ』と指摘し、望む人は結婚できるよう労働環境の改善に取り組むと主張しました。石破氏も少子化の原因は『母』親が『少』ないことだと主張。『少母化対策』として、若者も住み続けたい地域づくりを進めて婚姻率を引き上げると説明しています」
鈴江奈々キャスター
「まずは結婚のハードルを下げる取り組みを主張していると。加藤元官房長官、茂木幹事長、小林前経済安保相、河野デジタル相、高市経済安保相はどんな主張なんでしょうか?」
本岡記者
「こちらの候補者は『子育て世代の負担軽減策』を打ち出しています。加藤氏は『3つのゼロ』として『給食費、子どもの医療費、出産費負担をゼロにする』と掲げています。給食費無償化は茂木氏も『地方からも要望が多く、実現したい』と主張。一方、小林氏は『教育費が1つの壁になっている』と述べ、教育費無償化の範囲拡大に言及しています」
「教育費は河野氏も、一定の年収以下の人は大学の奨学金を返済しなくてもよい仕組みを拡大すると言及しています。また高市氏は『家事負担軽減策』を掲げています。家事に関する資格を国家資格化し、費用の一定割合を税額控除するという仕組みを主張しています」
鈴江キャスター
「そして上川外相と小泉元環境相はどんな主張なんでしょうか?」
本岡記者
「二人が共通して主張しているのは『選択肢を広げることが少子化対策につながる』という点です。上川氏は、少子化は『制度では解決できない社会の意識の壁がある』と述べていて、育児参加率や女性の社会進出などジェンダーギャップの是正を強調しています」
「小泉氏は自身が子育て中ということを前面に押し出して、選択的夫婦別姓など若者世代の『人生の選択肢』を増やすことが少子化改善につながると主張しています」
桐谷美玲キャスター
「さまざまな主張がありますが、私たち子育て世代にとっては具体的にどう変わっていくのかが気になります」
本岡記者
「大事なのは選挙期間中に出たこれらの対策を実行に移すことです。アイデアは実行し成果を出すことが大事です。子育て世代、そして子どもを望んでいる人たちの視点に立った政策にも取り組み続けてほしいと思います」