小泉氏ら総理大臣経験者5人 EUに“原発事故”の書簡送る
小泉純一郎氏ら総理大臣経験者5人がEU(=ヨーロッパ連合)に「福島第一原発の事故で、多くの子供たちが甲状腺がんに苦しんでいる」との書簡を送りました。これについて松野官房長官は、「誤った情報を広め、いわれのない差別や偏見を助長することが懸念される」と述べました。
小泉氏や細川護熙氏、そして菅直人氏と鳩山由紀夫氏、村山富市氏の総理大臣経験者5人は、EUの欧州委員会に先月27日付で「脱原発」に関する書簡を送りました。
書簡では「原発推進は亡国の政策で、福島第一原発の事故で多くの子供たちが甲状腺がんに苦しんでいる」などとしています。
これについて松野長官は、「誤った情報を広め、いわれのない差別や偏見を助長することが懸念される。適切ではない」と指摘しました。
5人に対し、山口環境大臣がこうした趣旨を記した書簡を送付したということです。さらに、山口大臣は、ヨーロッパ連合のパトリシア・フロア駐日大使に書簡の内容を説明しました。
松野長官は、「科学的知見に基づく知識の国内外への発信を行い、放射線の健康影響に関する風評の払拭に取り組んでいきたい」と述べました。
5人の書簡をめぐっては岸田総理大臣も2日、衆議院の予算委員会で「誤った情報を広め、いわれのない差別や偏見を助長することが懸念されるものだ。適切ではない」と述べています。