【解説】独自調査で石破氏リード…結果見た自民党議員ら約100人に緊急取材
自民党の総裁選挙の告示まで1週間です。日本テレビは党員、党友を対象に独自に電話調査を行い、誰を支持するかたずねたところ、石破元幹事長が28%で1位であることがわかりました。
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今回の自民党の総裁選挙は、党員・党友票の数が国会議員票と同じで勝敗に大きく関わることから、その動向を探るため、日本テレビは、党員、党友を対象に独自に電話調査を行いました。
立候補を表明したり、検討している12人のうち、誰を支持するか、たずねたところ、石破氏が28%で1位、小泉元環境相が18パーセントで続き、高市経済安保相が17%、上川外務相が7%、小林前経済安保相が5%になりました。前回2021年の総裁選挙で岸田首相に敗れ2位だった河野デジタル相は、3%で7位でした。
「まだ決めていない・わからない」と答えた人は10%で、情勢は変わる可能性もあります。この結果がどう受け止められているのか、政治部官邸キャップの平本典昭記者が解説します。
政治部官邸キャップ 平本典昭記者
「まず、この数字がなぜ注目されているのか、2点を説明させてください。1点目は、普段の世論調査は一般の人、全ての有権者を対象としていますが、今回の独自調査は自民党総裁選に投票権を持つ党員・党友に限った調査です。総裁選は国会議員票と党員票で決まりますが、党員票の結果をより正確に見通せる数字だからこそ、注目されているわけです」
「2点目は、今回、決選投票になる可能性が高いと言われる中、その権利を手にするため各陣営、1回目の投票で1位、2位を目指します。候補者が乱立していますから議員票は分散するとみられていて、党員票の獲得が勝敗の行方を握ります。だから、この調査結果に注目が集まっているわけです」
「日本テレビ政治部の総力を結集して調査結果への反応、自民党国会議員を中心に100人緊急取材を目指したのですが、実際は93人に取材をしましたので、結果をお伝えします」
鈴江キャスター
「その結果について、3つのポイントで解説します」
1. 「やはり石破氏か」安定の強さ
2. 「意外と高市氏が」予想以上の強さ
3. 「ここからが勝負」今後の展開は?
鈴江キャスター
「まずは1つ目、『やはり石破氏か』という声が多く聞かれたのですか?」
平本キャップ
「全体の約3割、27人が『石破さんは強い』という反応でした。その分析として、ある自民党幹部の1人は『地方に行っている回数が、ほかの候補者とは全然違う』と、これまでの積み重ねの結果だと言っています。石破陣営の幹部は『これまでの自民党と遠く離れた立ち位置が評価された』との見方を示しています」
「また、この結果を踏まえ『1位、2位は石破氏と小泉氏の戦いになるだろう』との見方が複数出ています。また、現時点で単純計算してみると、票数にして石破さんと小泉さんとは、約30から40票の差になりますが『この差を議員票でひっくり返すのは難しい』という声も出ています」
鈴江キャスター
「小泉さんは6日に出馬会見の予定ですが、巻き返しはできそうでしょうか?」
平本キャップ
「小泉陣営からは『戦いはまだまだこれからだ』との声が出ています。ある陣営の幹部は『まだ出馬表明もしてないから、この数値は期待値だ』と言っています。別の幹部は『明日の会見以降、まだ伸びしろがある』と、総裁の座、獲得に向けて強気の姿勢を示していました」
鈴江キャスター
「そして、2つ目のポイント『意外と高市氏が』予想以上の強さ、という評価の声があったんですか?」
平本キャップ
「これも、多く聞こえた声です。この調査を見た候補者の1人と直接話しましたが『ここまで高いとは予想していなかった』と、驚いた様子でした。なぜなのか、2つの数字を比べてみるとわかると思います」
平本キャップ
「ひとつは8月のNNNの世論調査の数字です。次の総裁に誰がふさわしいか、石破氏が22%、小泉氏が20%、高市氏が10%と続いています。今回の党員限定調査では、石破氏が28%、小泉氏が18%、高市氏が17%で、高市氏と小泉氏の差が10ポイントから1ポイント差に縮まったことに驚きが出たというわけです」
「ある候補者の1人は、高市氏は『保守層から支持されているのはわかっていたがここまでとは…』と予想外だったと驚いていました」
鈴江キャスター
「予想外に伸びたのが高市氏。一方、予想外に苦戦している人もいるのでしょうか?」
平本キャップ
「それは、河野太郎氏です。当初は『小石河』が軸になる総裁選という声もありましたが、党員調査では7位という結果でした。河野陣営の幹部も『さすがに低い、厳しい』とショックを隠せない様子でした」
鈴江キャスター
「そして『ここからが勝負』今後の展開は、どうなりそうでしょうか?」
平本キャップ
「この結果も踏まえて各陣営、戦略の練り直しを迫られそうです。ある小泉陣営の幹部は『党員票で石破さんが断トツになると決選投票でも石破氏にという流れが強まる』と話しています。党員票をまずどう伸ばすか、戦略が問われます」
「2つ目ですが、ある自民党幹部は『党員票の数字を見て、どこと組めば勝てるかを、みんな考えるだろうね』と話しています。別の自民党幹部は『高市陣営の党員支持がこれだけ高いと、決選投票を見据えて高市陣営とどう組むかが大事になる』と指摘しています」
「今回の調査は、まだ最終的な顔ぶれも決まっておらず、投票行動を決めていない人も10%も残る結果なので、今後変わる可能性はありますが、選挙戦略に少なからず影響を与えることになりそうです」