【そもそも.】地方議会の「議員定数」って?どうやって決める?減ることのメリット・デメリットは
地方議会の「議員定数」について、そもそも議員の数はどうやって決まっているか解説する。
まずは、街の人にも聞いた。
Q議員の定数、どうやって決まってると思います?
「人口かな?違う?」
「このくらいいればいいよねっていうのを事前に町で考えて、町長が決めてるんですかね。わからないですけど」
「議員は多いって思いますよ」
Qどうしてそう思います?
「人口割合に比べて人口減ってるのに増えてるような感じがする」
「そんなに多かったらまとまるものもまとまらないと思うので、それこそ10人とかの方が話もまとまるのかな」
政治学が専門の東北大学の河村准教授に聞いた。
そもそも議員定数は…国会議員は「公職選挙法」で定数が決められているのに対し、地方議員は「それぞれの自治体が実情に合わせ必要数を決めていい」ということになっていてその決まった数が条例に盛り込まれている。
法律で定められていた時もあったが、地方自治法改正が改正され今は人口の状況やその地域にどんな課題がどのくらいあるかに応じて自分達で定数を定めていいということになっている。
とはいっても定数は減少傾向にある。
要因は、人口減だけではなく住民などからの「議員が多すぎないか」という意見やそもそも地方議員は現在なり手不足、それを解消するために「報酬を上げてその分議員数を減らす」など様々な理由がある。
県内の市町村の議員定数は、現在と同じ市町村数になった2016年で655だったが、去年627に。
7年で27の減少となっている。
さらに今後、登米市や、石巻市、気仙沼市などでも議員定数の議論が進められているほか、栗原市(24人→21人)東松島市(18人→16人)では定数を減らすことが決まっている。
栗原市は議員にかかっていたコストを福祉などに活用できるメリットがあるなどどして削減を決めたそう。
ただ、一方で河村先生は定数の削減は「よいことばかりではない」と言う。
議員定数を減らすことのデメリット、民意が反映されにくくなるということもある。
さらには定数が減ることで、選挙戦が激しくなりその激しい選挙戦を勝ち抜くためにスタッフを増やすなど立候補する側の金銭面の負担が大きくなる。そうすることでなり手不足がさらに加速する可能性もあるという。
このようにメリットデメリットはあるが、河村准教授はこういったことも踏まえて、地域の実情に合わせて「よく考えて議論すること」に意味があり、つまりは「地域を見つめ直すこと」にも繋がるとお話されていた。
平成の市町村大合併から20年。議員定数を見直すことで自分達のまちの姿を見つめ直す機会になるのかもしれない。