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【能登半島地震】“孤立”解消へ……カギは「道路」と「通信」 国交省は“くしの歯作戦” 通信各社はドローンも できる支援は?

2024年1月11日 9:16
【能登半島地震】“孤立”解消へ……カギは「道路」と「通信」 国交省は“くしの歯作戦” 通信各社はドローンも できる支援は?
能登半島地震で、石川県内では3000人が孤立しています。孤立解消へ道路の復旧が急がれますが、内陸部の被害も大きく時間を要しています。通信の復旧にも影響が生じ、通信各社が対応に乗り出しています。辻愛沙子さんと、私たちにできる支援を考えます。

■半島全体の道路に被害で…孤立なお

有働由美子キャスター
「石川県では今も、孤立状態の人たちが分かっているだけでも3124人います(10日午後2時時点)。とにかく一刻も早くこの状況を解消してほしいと思いますが、なぜここまで時間がかかっているのでしょうか?」

小栗泉・日本テレビ解説委員長
「能登半島全体の道路が被害を受けたことが大きな原因です。海岸線を通る国道などで、多くの通行止めの箇所があります」

「国土交通省などは補修作業に取り組んでいて、(内陸部を貫く)幹線道路を中心として、そこから細い道へと、くしの歯をたどるように道路を切り開いていく、いわゆる『くしの歯作戦』を展開しています」

有働キャスター
「東日本大震災の時もありましたね」

小栗委員長
「ただ、今回は少し事情が違うようです。国交省の担当者は『東日本大震災と比べ、今回は内陸の被害も大きく、時間を要している。海側からも船で重機を運搬して沿岸部の復旧に取り組んでいる』と話しています」

■携帯各社の通信状況は?…一部で障害

有働キャスター
「道路の復旧が進まないことで、いろいろなところに影響が出ています」

小栗委員長
「通信手段もその1つです。NTTドコモの通信状況(10日午後7時時点)を見ると、珠洲市や輪島市、七尾市、穴水町、能登町の一部地域で通信障害が起きています。輪島市や珠洲市などでは、広い範囲で復旧していないことが分かります」

「KDDIとソフトバンクでも、珠洲市と輪島市の一部地域で通信障害が起きています」

■船上基地局、ドローン…各社の応急対策

有働キャスター
「電波が入らないと緊急地震速報も鳴らないので、この整備は急務です」

小栗委員長
「それだけに、通信各社も動いています」

「例えば船上基地局は、輪島市の沖合で船の上から数キロの範囲に電波を飛ばしています。電波を供給するドローンもあり、避難所が近くにはないものの民家が点在するような場所で使われています。持ち運びができる衛星アンテナのスターリンクもあります」

「こうした方法で電波を確保しようとしているのですが、あくまでも応急処置のため、少し離れると通信が利用できなくなってしまうようです」

■辻さんに聞く…私たちにできる支援

辻愛沙子・クリエイティブディレクター(「news zero」パートナー)
「電波は私たちが物として支援できないので、一刻も早く復旧をと思います。孤立しているとどうしても不安で先も見えなくなりそうですが、電波があればまず情報も届きますし、気持ちだけでも孤立しないように、私たちも応援や励ましの声を届けられますよね」

「スマートサプライ(Smart Supply Vision)というサイトがあり、『こういう物が何個必要』といった、被災地の皆さんが欲しい物が具体的にリスト化されています」

「物と個数を決めて支援できます。今回もエリアごとに分けて物資の募集をしていて、必要な人に必要な物資を、必要な分だけ届けられるというものです」

「今回、障害がある方向けのリストもあり、私は車椅子や補聴器の電池など『確かに必要だな』と思い、このサイトを通じて支援しました。被災地でもなかなか気付かれにくいサポートが必要な方がいるでしょうから、こういう取り組みは本当に大事だなと思います」

有働キャスター
「こうした試みに加えて『今どんな支援を送ったら…?』と迷った場合、やはりお金はスピーディーに届きますので、自治体への寄付や義援金、ふるさと納税を検討していただければと思います」

(1月10日『news zero』より)

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