東京都内の自宅で寝たきりの状態だった92歳の母親を殺害した罪に問われている男に対し、東京地裁は9日、懲役4年の実刑判決を言い渡しました。

前原英邦被告は2022年8月に東京・葛飾区の自宅で、寝たきりの状態だった母親の房子さんの首をひもで絞め殺害した罪に問われ、初公判では「母から頼まれた」と述べ起訴内容を否認しています。

東京地裁は9日の判決で、「末期の認知症の母が『殺してちょうだい』などという殺害を依頼する発言をしたとは認められない」と指摘。そのうえで、「犯行動機は経済的に破綻して母との生活を維持できなくなった前原被告が、介護を要する母を残して1人で死ねないとの考えで無理心中を決意したものだ」として前原被告に懲役4年を言い渡しました。