児童虐待対応件数 32年連続で過去最多を更新
昨年度、全国の児童相談所が児童虐待として対応した件数は21万9000件あまりで、過去最多を更新しました。
こども家庭庁によりますと、昨年度、全国の児童相談所が対応した児童虐待相談は、速報値で21万9170件で、前の年度に比べ1万1510件、5.5%の増加で、統計開始から32年連続で過去最多を更新しました。
こども家庭庁は増加の要因として、こどもの目の前で配偶者に暴力を振るう面前DVの増加を挙げていて、内容別では面前DVを含む心理的虐待が全体のおよそ6割(59.1%)を占め、ついで身体的虐待(23.6%)、ネグレクト(16.2%)、性的虐待(1.1%)でした。
また、相談の経路別では警察などが51.5%と、全体の半数以上を占めています。
こども家庭庁の担当者は、虐待そのものが増加しているかの判断は難しいとしながらも、少なくとも「顕在化するようになってきた」とし、増加する相談に対応できるよう、児童相談所などの体制を強化していきたいとしています。
一方、同時に発表された2021年度の児童虐待の死亡事例の分析では、心中以外の虐待で死亡したこども50人のうち、0歳児が24人とおよそ半数を占めました。
こども家庭庁は、望まない妊娠などが背景にあるとして、予期しない妊娠や貧困・DVなどがあり、支援が必要と行政に認定される「特定妊産婦」の支援強化が非常に重要だと話しています。