「和食」に続け……伝統的酒造りが“無形文化遺産”へ 円安も追い風、どんな効果が? 「日本酒」輸出額は10年で4倍に
日本酒・焼酎・泡盛など日本の「伝統的酒造り」が、ユネスコの無形文化遺産に登録される見通しになりました。訪日観光客に聞くと、日本のお酒の認知度は高いことが分かりました。訪日客は過去最多に迫るペースでもあり、酒造りの関係者は期待を寄せています。
「日本の食に関する明るいニュースが5日入ってきました。ユネスコの無形文化遺産に、日本の『伝統的酒造り』が登録される見通しとなりました。この『酒』とは日本酒・焼酎・泡盛などを指しているということですが、長濱さんはこの中で好きなお酒はありますか?」
長濱ねるさん(俳優・『news zero』火曜パートナー)
「私は焼酎が好きです。地元が九州なので特に芋焼酎になじみが深く、帰省すると家族で飲み交わしています」
滝アナウンサー
「いい時間ですね。小栗さんは何派でしょうか?」
小栗泉・日本テレビ解説委員長
「私はなんといっても日本酒派です」
小栗委員長
「東京・浅草で5日、海外から訪れた皆さんに日本のお酒の認知度を聞いてみました」
フランスからの観光客
「(飲んだのは)日本酒です。味は良いです。強さがないので、もっと飲まないと満足できません」
フランスからの別の観光客
「SAKEといえばわかります。有名な酒店(ニコラ)では、SAKEとしてコーナーで売っています」
オランダからの観光客
「(日本のお酒は)わかる人もいるけど、全員ではありません」
アメリカからの観光客
「日本食レストランでお寿司(すし)を食べに行くと、日本酒は人気があります。日本酒を飲むことは、滞在中のやることリストに入っていました」
小栗委員長
「認知度は大分高いようです。日本酒造組合中央会のまとめによると、10年ほど前と比べると日本酒の輸出額は約4倍に伸びています。欧米でも『SAKE』という言葉が広く知られていますし、アジア各国では『高級酒』として富裕層を中心に人気を集めてきました」
「今回、日本政府は日本酒や焼酎、泡盛などの伝統的酒造りについて、無形文化遺産への登録を提案してきました」
「こうじを使って発酵させる手作業の技術で、日本各地の気候や風土に合わせ、酒造りの職人である杜氏(とうじ)や蔵人らによって約500年前から受け継がれてきたものだとしています」
「そして、ユネスコの評価機関が『登録することが適当』という勧告と出したため、12月の政府間委員会で正式に決まる見通しです」
滝アナウンサー
「この無形文化遺産に選ばれると、どんな効果があるのでしょうか?」
小栗委員長
「2013年には『和食』が登録されて話題になりました。農林水産省によると、2013年に約5万5000店だった海外の日本食レストランは2017年に約11万8000店と、登録後4年で2倍以上に増えたというデータもあります。世界の和食への注目度が高まっているようです」
「今年は円安も追い風となり、日本を訪れる外国人客もコロナ前を上回って過去最多に迫るペースなので、酒造りの関係者は、さらに認知度が高まったり市場が拡大したりすることに期待を寄せています」
長濱さん
「このように認知度が上がっていくことで次世代につながる動きが広がるのはいいなと思いました」
「私も友達から紹介してもらって知った好きな日本酒があります。土地によって水も味も違いますし、いろんなお酒を探して出会っていくのはとても楽しいなと思いました」
(11月5日『news zero』より)