キョンの目撃情報に褒賞金2000円 「みなさまの力を借りて…」茨城県が新たな対策
特定外来生物のキョンについて、茨城県が新たな対策をしています。茨城県内で撮影されたキョンの写真や映像を提供した人に2000円の報奨金を出して、生息状況を把握しようということです。
茨城県下妻市ののどかな町。
地元住民(茨城・下妻市 5日)
「このへんです。キョンです。車で夜通ったときに見たんですよ」
シカに似た特定外来生物のキョンを、目撃したという情報が。
地元住民(茨城・下妻市 5日)
「目と目が合いました。アライグマと全然違って大きいから、これはキョンだなと」
この男性の妻も…
地元住民(茨城・下妻市 5日)
「よく千葉にいると聞きますけど、キョンというのを実際見たのは初めて。びっくりしましたね、ここにも居るんだって」
他の街でも…
地元住民(茨城・石岡市 5日)
「金曜日かな。この辺から2匹、まっすぐ網のところに向かっていったから」
かわいい見た目とは裏腹に、農業被害を与えるなど“迷惑モノ”として知られているキョン。
5日に千葉県勝浦市に行ってみると…
記者(千葉・勝浦市 5日)
「黙々と雑草か何かを食べています。5、6メートル先にいますが、私たちを気にせず歩いています」
住民は…
地元住民(千葉・勝浦市 5日)
「被害は甚大なの。カサブランカがミョウガみたいな芽が出る。みんなキョンに食べられた」
キョンが庭に侵入して花を食べるなど、住民も頭を悩ませています。
地元住民(千葉・勝浦市 5日)
「日常の風景です。慣れて共存・共生しないとだめ。せざるを得ない」
キョンがいる生活に住民は、すっかりお手上げモード。
千葉県によると、4日時点で、県内中南部の17の市と町に定着していて、去年は北部の成田市や銚子市でも目撃されています。
北部への生息域拡大が危ぶまれる中、隣接する茨城県がとった作戦が…
茨城県環境政策課 飯村勝輝課長補佐
「広く県民に知っていただきたい、注意喚起をしていきたいということで、目撃情報制度を開始しております」
茨城県全域での生息状況を把握するため、5月30日から目撃情報1件につき2000円の褒賞金を支払う制度を導入。(4月1日以降に撮影されたもの)
茨城県内で撮影されたことが特定できる写真や動画が対象です。
2年前、茨城県で初めて生息が確認されたキョン。これまでに県内4つの市で目撃情報が寄せられています。繁殖力が強いため、定着すると排除するのが困難だといます。
茨城県環境政策課 飯村勝輝課長補佐
「なかなか県だけでは限界がありますので、広く皆様のお力も借りつつ、皆さんで一緒になって対策していければと考えております」
褒賞金制度が始まる中、先週、キョンを目撃したという夫婦は…
――写真や動画は?
キョンを目撃した夫(茨城・下妻市 5日)
「撮ってない。車でしたから止まって撮るまでに、もういなくなっていました。間違いなくキョンだと思います」
――キョンと言っていますが?
キョンを目撃した妻(茨城・下妻市 5日)
「私ははっきり言い切れません」
動きがすばやいだけなく、見慣れないキョンに撮影が難しい現状も。それでも…
キョンを目撃した妻
「お金はあれじゃないけど、今度はカメラに収めておきます」
キョンの定着を防ぐため、茨城県は写真や動画撮影以外にも引き続き目撃情報も求めています。