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田村淳×辻愛沙子2 夢は何個あってもいい

2021年12月30日 10:55
田村淳×辻愛沙子2 夢は何個あってもいい

ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんとクリエイティブディレクターの辻愛沙子さんの対談をお送りするUpdate the world。アップデートできない人の特徴は?世代で捉えることの弊害は?異なる意見の人とわかり合うには?お話を伺った。

■反対意見の人たちともわかり合える

田村さんは以前にとあるインタビューで「自分たちは小中高と体罰があった世代だけど、それを今やることはおかしなことだと切り替えられている人。切り替えられていない同世代の人とは話が合わないし、話したくないですね。同じ40代の中でも分断が起きているのはすごく感じます」と発言していた。辻さんはこの発信に感銘を受けたという。



「これを今の若者がはっきり言うと、嫌な感じがすると思うんです。でもこれは、私たちの世代でも起こりうること。アップデートできるかどうかは、結局個人にあると感じます。淳さんは、アップデートできる人とできない人の違いはどこにあると思いますか?」

田村
「思考停止しているかどうかですね。思考停止している人のほとんどは、無意識だと思います。僕は小学生の頃から、既存のシステムになんとなく違和感を抱いていました。同じように計算をさせて、ひらがなを教えるのが本当に正しいのかと。夢を書きなさいと言われても、20個くらい羅列する子どもでしたね。それを見て先生は、ひとつに絞りなさいと言いました。でも、まったく意味が理解できなかった。

今こうやって意見を発信していると、批判の矢も刺さるけれども、同じような意見を持っている人たちと触れ合う機会も増えています。僕と同じような意見を持つ人は、反対意見の人とも分かち合おうと考えている人が多いですね」


「分かります。『AGREEはできないけれど、UNDERSTANDできる』ことは、よくありますよね。アクティビストの人たちと話していると、意見が違うこともあるけれど、心の底から社会のことを考えているのが伝わります。アップデートには、ときには間違えることだってあります。でもその人たちは、間違いに対する寛容度も高いですよね」

■意見が変わることはおかしくない

田村さんから辻さんへ、「Z世代」について質問が。辻さんは「Z世代」をどう感じているのか?辻さんの答えは…?


「この問いがくるたびに、『世代ではなく、時代だと思います』と答えています。これまでゆとり、さとり世代と言われて非難されてきたのに、最近は『Z世代として教えてください』と言われて。まだまだ上の世代から学びたいことも多いし、どうしたらいいんだろうと思いますね。だから今日淳さんとお会いできるのは、すごく楽しみにしていました」

田村
「荷が重いな(笑)。教えることなんてできないですよ。お互いの感覚を出し合っている感じが、今日はすごく楽しいですね」


「これまでのお話ししている中で淳さんから学んだことは、そのフラットさだなと思います。大人になると、自分の意見を抑えなければならないみたいな空気がありますが、淳さんは誰に対してもフラットさがありますよね」


「自分の意見は、たとえ間違っていたとしても言うようにしています。もし意見が変わっても、それを伝えますね」


「それってすごいことだと思うんです。表に出ていると、『意見を変えるな』と言われることも少なくありません。淳さんのように『変わりました』と素直に開示する柔軟さや強さが必要なのかもしれませんね」

田村
「意見が変わることはおかしいことではないし、夢だって変わってもいいんです。植松電機の植松努社長が『何個夢を持ってもいい』とおっしゃっていて、僕はその言葉に救われたんですよ」

辻さんもこの考えを大絶賛。何か一つに絞ることを強要すること自体、アウトオブデートな価値観なのかもしれない。


■意見が違っても、共通項があるかもしれない

さまざまな人と対話する機会をもつ二人。辻さんから田村さんに対して、相対する意見を持つ人と話すことに怖さはないのかと疑問が投げかけられた。

田村
「怖いですよ。僕は選択的夫婦別姓に賛成なのですが、反対派の竹田恒泰さんと対談する機会があって。怒られたり、けんかになったりしたらいやだなと思っていました。でも議論になると、互いの意見を尊重しあえて。反対派の意見にはこういったものがあるんだと知ることができました」


「自分に近しい人たちと話すのも安心感がありますが、相対する人たちに話を聞いてみて、AGREEとUNDERSTANDを切り分けることにも意義がありますよね」

田村
「確かに意見は違うけれど、僕は竹田さんのことが嫌いではないし、人となりや考え方が素敵だと思います」


「それってよくありますよね。ベン図で表したとき、共通項もあれば違うところもあります。これは一概に、敵と味方の関係性で示されるわけではないと思うんです」

田村
「以前に仏教信者とキリスト教信者の夫婦にインタビューを拝見しました。お互い信じているものが別なのに、お互いを認め合っているのが印象的でしたね。大きなベクトルが同じならば、多少意見が合わなくても同じ方向を向いていけるのだと感じました」

お互いの共通項があれば、すべての意見が合わなくても同じ方向を向ける。意見が対立したとき、意識してみたい視点である。



 ◇

この記事は、2021年12月17日に配信された「Update the world #12 私たちはどうアップデートできるか」をもとに制作しました。
 
■「Update the world」とは日本テレビ「news zero」が取り組むオンライン配信番組。SDGsを羅針盤に、社会の価値観をアップデートするキッカケを、みなさんとともに考えていきます。

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