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「第6波」の沖縄“協力金の差”に憤りも…

2022年1月10日 20:53
「第6波」の沖縄“協力金の差”に憤りも…

これまでにない速度で新型コロナウイルスの感染が拡大しています。まん延防止等重点措置が出ている沖縄では、医療のひっ迫が深刻化しています。また、時短営業などの要請が出された飲食店からは、“協力金”の差に憤りの声が上がっています。

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3連休の最終日の10日、最後の冬休みという学生も多く、にぎわった原宿。

石川から旅行・10代学生
「石川県から。(親に)『帰る時に(PCR)検査するならいいよ』って言われて来ました」
「(感染)気をつけなきゃなと」

急拡大する感染に、不安が広がる中、今年もコロナ禍で迎えた成人の日。感染対策を守って参加する新成人もいれば──

「飲んで、飲んで、飲んじゃって!」

全国最大規模、神奈川県横浜市の成人式では、新成人が酒を片手に大騒ぎしていました。マスクなしでコールを掛け合い、「ビン持って帰ってね。捨てないで」などと警察に注意される場面も見られました。

一時騒然としましたが、多くの新成人が無事に新たな門出を迎えました。

新成人
「(感染者)増えてきて、どうかなと思ったけど(成人式)できてよかった」

10日、東京では新たに871人の感染を確認。3日ぶりに1000人を下回りましたが、依然、急激な感染拡大となっていて、連休最終日にPCR検査を受ける人の姿も多く見られました。

20代学生
「どんどん感染者が増えているのを見て、確認したくて」

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まん延防止等重点措置が始まった広島では、過去最多となる672人の感染が確認されました。

同じく、まん延防止が始まった沖縄では、10日の感染者は779人と、4日ぶりに1000人を下回りましたが、医療現場は、日に日に限界が近づいているといいます。

沖縄県立中部病院感染症内科 椎木創一医師
「この1週間で第5波ピークの忙しさまで、急に達してしまった。ギアを上げるのが精いっぱい。日に日に増えていくのに追いつくので精いっぱい」

急激に増えたという患者。そこに追い打ちをかける問題も──

沖縄県立中部病院感染症内科 椎木創一医師
「数名ぐらい感染してしまった職員もいます。感染した職員はもちろん休んでもらう。濃厚接触の職員も休む必要がある。どんどん職員が目減りする」

10日時点、県全体で483人の医療従事者が勤務できなくなる状態になり、さらに県内およそ7割の重点医療機関で一般の診療に影響が出始めているといいます。

沖縄県立中部病院感染症内科 椎木創一医師
「医療の部分で人手が少ない話も出ていますが、(今後)社会全体が動けない状況になりかねない」

保健所もひっ迫しています。9日、那覇市保健所は「濃厚接触者については、新規陽性者ご自身でどなたがこれに該当するかをご判断いただき(新規陽性者)ご自身からお伝えしていただきます」と発表しました。

増えすぎた感染者への対応が追いつかないため、重症化リスクのある濃厚接触者以外は感染者自身から連絡を取ってもらうようにするといいます。

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これまでにない感染状況の「第6波」を迎えている沖縄。国際通りは再び、にぎわいが消えました。

観光業も窮地に陥っています。那覇・国際通りにあるホテルでは──

ホテルパームロイヤル NAHA国際通り・高倉直久総支配人
「こちらが予約画面になるんですけど、赤字が取り消し(キャンセル)のマーク」

記者
「赤ばかりになってますね」

ホテルパームロイヤル NAHA国際通り・高倉直久総支配人
「キャンセルの方が予約数より多い状況。現時点まででいうと、約300件近いキャンセル」

年末年始は9割以上の稼働率だったといいますが、爆発的な感染者の増加に伴い、キャンセルが続出。

ホテルパームロイヤル NAHA国際通り・高倉直久総支配人
「また先行きが見えづらくなってきたということで、非常に不安が大きいですね」

飲食店では、まん延防止に伴い再び時短営業などの要請が出されました。しかし今、県内の飲食店の多くが──

たけすみ 久保恵都さん
「少し憤りというか感じますね」

憤る理由は“協力金”の差です。

県の認証を受けた店が要請に応じた場合、午後8時までの酒の提供が可能で2万5000円から7万5000円の協力金が支給されます。

しかし、認証を受けていない店の場合は3万円から10万円と、認証店よりも多い金額になっています。

たけすみ 久保恵都さん
「お酒が提供できたとしても、客足が遠のいている現状ですし、非認証店の方が(協力金が)高いという現状。なんのための認証店なのかなって感じたのが正直な気持ち」

県は、認証の返上を申し出た店に対して、非認証店としての協力金を出すと発表しています。

飲食店を巡っては、東京でも11日から、対策が強化されます。10日時点、1グループ8人以内としている人数制限は4人以内になり──

赤バルRETZE赤羽店 寄木一真さん
「率直に戸惑ってます。結局、お店のキャパが、中が他のお客様で満員になったら何も変わらないなって」

──今後時短や酒の提供禁止となった場合は?

赤バルRETZE赤羽店 寄木一真さん
「もう4回5回と同じことずっと繰り返してますから、協力金があるというその上で、うちの会社はそこに従うと」

もう繰り返すことのないよう、改めての感染対策が求められます。