アルツハイマー治療薬「レカネマブ」での治療、想定上回るスピードで増加
2040年には日本の高齢者のおよそ3人に1人が、認知症か、その前段階になるという推計を今週、厚生労働省が発表しました。認知症の進行をどう抑えるかが課題となる中、去年発売されたアルツハイマー型認知症の治療薬レカネマブによる治療が、発売した製薬会社の想定を上回るスピードで増えているということです。
この薬を製造販売しているエーザイによりますと、日本では去年12月に販売を開始後、今年2月5日までに、およそ100人の人に投与を開始し、投与する予定が確認された患者数はおよそ300人、これらの数は日々、増加しているということです。
今年3月末の時点で、導入を開始した医療機関は、およそ350か所だということです。
この薬を使う医師は、薬固有の副作用についての講習を受けることになっていますが、3500人ほどの医師が受講を終えたということです。
エーザイは、今後は投与可能な医療機関と医師が増えることから、さらに投与患者数が増えると見込んでいて、今年度末までに累計で7000人に、この薬が投与されると推計しています。
レカネマブはアルツハイマー型認知症の治療薬で、軽度認知症と認知症の前段階(=軽度認知障害)の人が対象で、脳内にたまるアミロイドベータというタンパク質を取り除き、進行を遅らせるものです。