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日本の睡眠時間「世界最短」損失は15兆円? 認知症…疾患リスク上昇 “寝だめ”で時差ボケも【#みんなのギモン】

2023年9月5日 20:00
日本の睡眠時間「世界最短」損失は15兆円? 認知症…疾患リスク上昇 “寝だめ”で時差ボケも【#みんなのギモン】

十分な睡眠時間がとれていないとされる日本人ですが、その睡眠時間は世界で最短とも言われています。その悪影響などについて、以下のポイントを中心に詳しく解説します。

●“6時間未満” 健康リスク増?
●睡眠負債 どう解消?

OECD(=経済協力開発機構)が33か国を対象に行った1日の睡眠時間の調査では、南アフリカが「9時間13分」、アメリカが「8時間51分」、韓国が「7時間51分」などとなっているなか、日本は「7時間22分」と最下位です。

全体の平均は「8時間28分」で、日本はそれより1時間以上も短いことが報告されているのです。

こうした日本の睡眠不足をうけて、4日に発足会見を開いたのが「日本睡眠協会」です。睡眠不足を改善して経済を活性化させるために、科学的な知見から対策を発信していきたいと設立されました。

睡眠不足による経済損失は15兆円に上るという米シンクタンクの試算もあり、対策は急務だといいます。

街の人に睡眠時間を聞いてみました。

【睡眠6時間】会社員(30代)
「仕事が長いと5時間とか時間が遅くなってしまうことはある。なるべく6時間以上寝るように。仕事が終わった時もすごく疲れてしまって、眠くなったり、効率が(上がらず)はかどらない時があります」

【睡眠5~6時間】主婦(30代)
「5~6時間、全然足りていないですね。子どもの予定とかに合わせて塾とかがあるので合わせちゃうと、なかなか夜遅くなってしまう」

このようになるべく睡眠をとりたいと思っていても、仕事や家庭の事情で睡眠不足という人が多かったです。

日本睡眠協会の内村直尚理事長によると、世代によって最適な睡眠時間は違うそうです。

●20~59歳:6~9時間
●60歳以上:6~8時間

なぜ、60歳以上は1時間短いかというと、8時間以上寝ることでうつ病や認知症を引き起こしやすくなり、平均寿命が短くなるからです。日中は活動的に過ごして。昼と夜のメリハリをつけることが大切だということです。

睡眠による休養が十分とれていない人の割合は、年々増えています。厚生労働省の調査では、1日の平均睡眠時間が6時間未満の人の割合は男性で37.5%、女性で40.6%と4割ほどを占めています。

睡眠が確保できていない理由として多かったものは、男女で次のようになっています。

●男性
 22.9% 仕事
 12.2% 携帯電話やゲームに熱中
 12.1% 健康状態

●女性
 14.2% 仕事
 13.0% 家事
 12.2% 携帯電話やゲームに熱中

実際、街の人にも睡眠時間が短くなってしまう理由を聞きました。

【睡眠4時間半】会社員(40代) 
「4時間半ぐらい。単純に夜更かししてるっていうだけですね。携帯見たり、映画見たりしてるので。いや全く足りてないですね。睡眠時間が短くて、結構仕事もしんどくなってきてる」

【睡眠7~8時間】学生(20代)
「学校の課題やってたり、スマホでSNSを無駄に見ちゃったり。寝るのが遅れたりして、寝ようと思って目閉じてもチカチカしてる感じがして寝られない」

こうした睡眠不足は健康に悪影響を引き起こします。一時的ではなく、数日にわたって睡眠不足が続いてる状態を「睡眠負債」と呼びます。

平日に蓄積した「睡眠負債」をあとから解消するために、休日に長く眠る「寝だめ」の習慣を持つ人も結構いるのではないでしょうか。ただ、休日に「寝だめ」をすることで、就寝・起床の時間が平日と休日でずれてしまい、体内時計が乱れてしまいます。

平日と休日で「時差ボケ」が生まれてしまうわけですが、この時差ボケや睡眠負債は、眠気や疲労感をもたらして日中の活動に悪影響を与えるだけでなく、気づかないうちに健康への悪影響も与えかねません。

例えば、記憶力や学習能力の低下、免疫力の低下、生活習慣病のリスク増加などがあげられています。

習慣的に7時間前後眠っている人は、死亡や疾患のリスクが最も低いと言われています。睡眠時間が6時間未満の人は、次のように疾患のリスクの増加と関連があることがわかっています。

 ●認知症 1.68倍
 ●死亡  1.12倍

睡眠負債はどのように解消したらいいのでしょうか。

日本睡眠協会の内村理事長によると、休日に寝だめすることによる時差ボケは、戻るのに3~4日はかかるといいます。

とはいえ、休日はゆっくり寝たいです。そのため、平日の睡眠不足を補うなら、休日の朝は平日との起床時間の差を2時間以内にする、または普段より早く寝るのがよいそうです。

    ◇

睡眠が心や体に与える影響は、とても大きいことがわかりました。改めて自分の睡眠を見直してみましょう。

(2023年9月5日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
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