「おかゆ」売り上げ好調! コロナ療養中に“おいしさ”実感? 16年ぶり新商品も…
今、おかゆの売り上げが伸びています。その背景には新型コロナウイルスで自宅療養した人がおいしさを実感したことなどがあげられています。スーパーではおかゆコーナーに多くの商品が並び、16年ぶりにおかゆの新商品を発売した食品メーカーもありました。
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新潟・五泉市にある食品メーカーの工場に訪れました。次から次へと流れてくるパックに新潟産コシヒカリを詰めていました。袋詰めされた「おかゆ」です。この会社では、おかゆの注文数がコロナ前と比べて倍以上に増えたといいます。
ヒカリ食品 中山大代表取締役
「コロナ自宅療養者向けにおかゆを出させていただいたんですけど。皆さん(おかゆを)手に取る機会が少なかったんじゃないかなって。それが自宅に届いたのでせっかくだから食べようかと」
体調不良などによって、普段、おかゆを食べない人たちがおかゆのおいしさを実感し、注文の増加につながっているといいます。
ヒカリ食品 中山大代表取締役
「パッケージをより高級感を出しつつ、さらに若い人にも手にとってもらいたいっていう思いがあったので」
今ではリピーターも多いといいます。
民間の調査会社によると、去年のおかゆの販売量はコロナ前の2019年と比べ、2割ほど増える見込みだということです。都内のスーパー、「Odakyu OX 祖師谷店」に行ってみると、おかゆのコーナーがありました。
OdakyuOX祖師谷店 片山英樹 店長
「大体25種類ぐらいあります」
コロナ前の5年前(2018年)と比べ約2割おかゆの売り上げが伸びているといいます。
OdakyuOX祖師谷店 片山英樹 店長
「いろんな味がありますし、(おかゆを)通常の食事として使われる方も多いのかなと思います」
実際、普段の食事でおかゆを食べるという人に話を聞きました。
利用客
「同じご飯の量でも満足感がありますので、おかゆにして量を少なくして。でも満足感がありますので」
大手食品メーカー「味の素」は、16年ぶりにおかゆの新商品を発売しました。かつおだしや国産の鶏のむね肉などを使用した一品です。
味の素 栄養・加工食品事業部 児玉悠輔さん
「低カロリーながら従来のものよりも、栄養感・具材感・満足感があるところが大きなポイントかなと」
利用者からは「具材感がほしい」などの要望が多く寄せられ、新商品の開発につながったといいます。
一風変わったおかゆも登場しました。2月に都内にオープンした店で使っていたのは豆乳です。豆乳は店でしぼっていて、食べやすくするために出汁を加えています。おかゆの上には、台湾料理でおなじみのスパイスを効かせ、甘辛く煮たルーローという豚肉と卵がトッピングされていました。
記者
「大豆の柔らかな風味と、後からほんのりとおだしが香ってきて、柔らかい味わいでおかゆとよく合います」
台湾で人気の豆乳とおかゆを組み合わせたメニューだといいます。
豆乳専科Esola池袋店オーナー 関根伸明さん
「場所柄学生の方もたくさんいらっしゃるエリアなので、若い方にも食べていただきたい」
今や日常食にもなりつつあるおかゆですが、さらに広がりを見せそうです。