鳥島近海 津波の要因依然わからず マグマ活動関与の可能性も―政府の地震調査委員会
9日、太平洋沿岸で津波が観測された伊豆諸島の鳥島近海を震源とする地震では、津波を発生させた要因は分かっていませんが、政府の地震調査委員会は、地下のマグマ活動が関連している可能性があると指摘しました。
伊豆諸島の鳥島近海では今月2日から地震活動が活発となり、5日に発生したマグニチュード6.5の地震では、八丈島で30センチの津波が観測されました。さらに、9日の朝には規模の小さな地震が多発して再び津波が発生。八丈島で高さ60センチの津波が観測されたのをはじめ、太平洋沿岸の広い範囲で津波が観測されましたが、津波をおこした要因は現在も分かっていません。
11日に行われた政府の地震調査委員会の会合では、気象庁から9日午前4時から6時半ごろまでの間に、規模は小さいものの少なくとも14回の地震が発生していたことなどが報告されました。
また、会合では火山活動との関連についても議論があったということですが、鳥島の南側に位置し今回の震源付近にある孀婦岩という海底火山では現時点で大きな変化は確認されていないということです。
一方、鳥島の北側にある須美寿カルデラでは10年に1回程度、マグマ活動による津波が発生することが知られていて、今回の地震の活動領域でも似たようなことがおきる可能性があるとしました。
こうしたことから地震調査委員会の平田直委員長は、今回の津波発生は地下のマグマ活動が関連している可能性もあるとしました。
鳥島近海では9日以降、地震活動は低下していますが、平田委員長は比較的小さな地震でも津波が発生していることから、当面の間は注意が必要だとしています。