グテーレス国連事務総長「ウクライナ情勢の早期解決は困難」 広島テレビ単独インタビュー
サミットに参加するため広島を訪れた国連のグテーレス事務総長が、「ウクライナ情勢の早期解決は困難」との認識を示しました。広島テレビの単独インタビューでの発言です。
グテーレス事務総長が最初に語ったのは、自身と被爆地・広島とのかかわりでした。
国連・グテーレス事務総長「私が初めて広島に来たのは1980年代のこと。その時に見た悲劇や核兵器の愚かさは、強く印象に残っています。それは、その後の私の政治的選択に極めて大きな影響を及ぼしました。おそらく、国連の事務総長を目指したのもその影響です」
ロシアの侵攻から1年以上がたったウクライナ情勢の今後については、厳しい見方を示します。
国連・グテーレス事務総長「両国が和平に向けて真剣な議論のテーブルに着く可能性はありますが、それがいつかについて語るのは時期尚早。両国が和平交渉に早急に応じるとは思えませんが、いつかその日は来るでしょう」
国連の安全保障理事会は去年2月、ウクライナ侵攻を非難し、ロシア軍の即時撤退を求める決議案を採決。しかし、ロシアが拒否権を行使し否決されました。国連安保理は機能不全に陥っているとの指摘もあります。
国連・グテーレス事務総長「私も強く思っていることですが、安全保障理事会は現在の状況に対応しきれていません。常任理事国に新たなメンバーを迎えるなど、世界の安全保障に効果的に対処するため、方法論を一新することが重要だと考えます」