「惨殺し死刑に」などと投稿か…巨人選手に“殺害予告30回” 日本生命元職員の女逮捕
日本生命の元職員の女が、読売巨人軍の特定の選手に対し「惨殺し死刑にします」などの殺害予告を30回以上、インターネット掲示板に投稿し、球団従業員の業務を妨害したとして警視庁に逮捕されました。
◇
9日午前、東京・世田谷区で…
記者
「警視庁の捜査員が段ボール箱を持って出てきました」
それから程なくして姿を見せたのは…
記者
「警視庁の捜査員に連れられて、容疑者の女が出てきました。天野容疑者が出てきました」
うつろな表情でゆっくりと歩くのは、威力業務妨害の疑いで逮捕された天野里美容疑者(27)です。以前は、生命保険大手の日本生命に勤めていました。
車の中では、手で顔を覆っていた天野容疑者。
警視庁によると、今年4月下旬から6月上旬にかけて、インターネットの掲示板に、読売巨人軍の選手の1人の個人情報が記載された写真や、殺害を予告するような文章を繰り返し投稿し、球団の従業員に警察への通報や警備を強化するなどの対応を余儀なくさせ、業務を妨害した疑いがもたれています。
今年5月、巨人軍は電話で都内の警察署に相談。
読売巨人軍
「インターネット掲示板に選手に対する殺害予告があり、当該選手の保険会社の顧客情報画面が添付されている」
巨人の特定の選手を、ネット上で執拗(しつよう)に攻撃したとみられる天野容疑者。
「おまえを死んでも許さない」「惨殺し死刑にします」
こうした投稿を30回以上していたとみられています。
さらには、去年まで2年半、勤めていた“保険会社での立場を悪用”していた疑いも─。
ネット掲示板にさらされたものの中には、選手の自宅の住所や携帯電話の番号など個人情報が記載された写真も。写真は、選手が保険の契約をしていた日本生命の顧客情報画面を撮影したものでした。
日本生命に在籍していたときは、顧客の個人情報を閲覧できる立場にあった天野容疑者。会社への信用のもと、顧客が提供した個人情報を悪用したとみられています。
書き込まれた際のIPアドレスから関与が浮上した天野容疑者。別の選手に対する殺害予告などはなく、警視庁は、とにかくその選手が“嫌い”だったとみて、動機についても調べています。
ただ、天野容疑者はその巨人の選手と面識はないということです。
調べに対し、天野容疑者は「いっぱいやりすぎて覚えていない」と話し、容疑を否認しているということです。
◇
所属選手が標的となった読売巨人軍の広報部は…
読売巨人軍 広報部のコメント
「執拗なネット上の投稿により、対象とされた選手はプレーに専念することが妨げられました。重大かつ深刻な事案であり、球団としてもプロ野球界全体としても、このようなことが二度と起きないよう、全力で取り組まなければならないと考えております」
一方、日本生命は「元職員の逮捕について」という謝罪のコメントを発表。
日本生命
「元職員が、読売巨人軍に対する威力業務妨害の容疑で逮捕されたことが発覚しました。このような事案が発生したことは誠に遺憾であり、関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしていますことを、深くお詫び申しあげます。引き続き、被害の実態把握に向けて捜査に全面的に協力してまいります」
天野容疑者が日本生命を辞めた理由は不明だということです。警視庁は、こうした投稿を目にした人も、安易に拡散することは避けてほしいと呼びかけています。
(7月9日放送『news zero』より)