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【特集】独自に制定「防災の日」 鯖江市・北中山地区 避難所運営ゲームなどで防災力アップ <福井豪雨から20年>シリーズ②

2024年7月16日 19:23
【特集】独自に制定「防災の日」 鯖江市・北中山地区 避難所運営ゲームなどで防災力アップ <福井豪雨から20年>シリーズ②
地区での防災訓練の様子

福井豪雨から18日で20年。あの時、人々はどう命を守り、教訓にしてきたかを考えます。シリーズ「福井豪雨から20年 あの日の記憶」。2回目は地場産業も大きな被害を受けた鯖江市の北中山地区からの報告です。

■北中山地区防災会議 揚原龍郎会長
「とにかく土のうを積んでいる人たちがいっぱいいた。堤防から越水をしていたのが強烈に印象に残ってますね」

鯖江市の東部にある北中山地区。当時ここでは、川幅およそ50メートルの鞍谷川で越水が発生し、公民館や水田の広がる一帯が水没。およそ250棟が床上・床下浸水しました。

その上流の河和田地区でも、河和田川やその支流で複数の決壊が発生し、濁流の威力は大木をなぎ倒すほどでした。

■住民(当時)
「もう捨てるんやわ。品物にならんわね」

地場産業の漆器のまちは大きなダメージを受け、鯖江市内全体で住宅への被害はおよそ1000棟に上りました。

北中山地区では当時、住民たちが危険を顧みず、必死に堤防に土のうを積んだそうです。

■北中山地区防災隊 堀繁実隊長
「砂もいっぱい運んできてもらって、何回も。みんなここで一生懸命、町民の人は。1段どころではない。3段積みで。それでも越水してる」

■北中山地区防災会議 揚原龍郎会長
「防災っていうことへの認識が、全然今と(違って)低いので。今じゃ考えられないことをしてたんだなと思いますね。今は避難するのが当たり前。警戒レベル5ですから。(当時は)一生懸命やった」

あの豪雨をきっかけに「防災」は地区の大きなテーマになりました。

まず、地区の防災のルール作りや司令塔の役割を担う「防災会議」と住民1人ひとりの防災力を高める「防災隊」の2つの組織を立ち上げました。

特に力を入れるのは、防災教育とよりきめ細かな災害への備え。子ども向けの避難所運営ゲームなど、ワークショップを企画している他、過去に被害があった場所やふたのない用水路、それに堤防の高さまで細かく記した集落ごとのオリジナルの防災マップを作って、それぞれの家庭に配布しています。

また、福井豪雨があった毎年7月の第3日曜日を、独自に「防災の日」と定め、各集落で防災訓練を行っています。

■北中山地区防災隊 堀繁実隊長
「だいぶ災害に対する意識は変わってきたかなと思う。長く根気よく訓練とかワークショップをして、みんなに防災に対する知識の習得を広めていければ」

住民の意識を大きく変えた福井豪雨。地道な取り組みで、地域の防災力は間違いなく高まっています。

■北中山地区防災会議 揚原龍郎会長
「いろんな方々の助けを借りて勉強を続けてきましたので、知識をそれなりに吸収してもらっていると思う。乗り越えていけると思う」

20年かけて培ってきた防災への意識。災害が頻発する現代でも、地域全体で乗り越えようとしています。

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