一声かけて犯罪検挙“職務質問のプロ”「職質指導班」に密着
一声かけて犯罪を検挙でき、警察官の最大の武器といわれる「職務質問」。その技術を後輩に伝承しようとする警察官がいました。
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埼玉県警の「職質指導班」。職務質問のプロが集まり、若手などに技術を伝えるチームです。技能指導官をつとめる関根育広警部補(49)もその1人。
この日は、大宮署員に車に乗る人への職質などを指導しました。時には若手警察官と現場へ。
地域総務課技能指導官・関根育広警部補
「これだけ人歩いてても、薬物の人とか、動きがおかしいんで目立つ。そういうのはよく見てください」「(車に)乗るときは周りすべて確認してから乗ったほうがいい」
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ある日のパトロール中──
同僚
「超怪しいんすよね」
関根警部補
「どれ? 」
同僚
「白いの」
「行った行った行った」
関根警部補たちの目は、パトカーに気づくなり立ち止まって方向転換した不審な男を見逃しませんでした。パトカーを見て猛スピードで逃げる男を走って追いかけ、確保します。
「座ってちゃんと、オーバーステイ? 」「どこの人? 国は」
「ベトナム」
男は、他の県の会社から逃げてきたベトナム人だといいます。
「どれくらいオーバーしてるの? オーバーステイなんでしょ。どれくらい切れちゃってるの? 」
「3か月? 」
「逃げてもしょうがない」
在留期限が切れた男は現行犯逮捕されました。
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関根育広警部補
「(職務質問は)一声かければ犯罪者を捕まえることができる、もっとも有効な手段なんです。(技術を)しっかり若い人に伝えていきたいなと思う」
警察庁は先月、関根警部補を全国の警察官に指導できる広域技能指導官に指定しました。全国を舞台に、今後も熱血指導が続きます。