大人も子供も…日本各地で光の天体ショー
21日朝、月によって隠された太陽がリングのように見える「金環日食」が全国各地で見られた。
21日午前7時17分頃、鹿児島・宝島で金環日食となった。その後、日食は西から東へと進み、午前7時半過ぎには東京都や関東各地でも美しい光のリングとなった。「部分日食」を含め、全国で午前6時過ぎから約3時間、世紀の天体ショーが繰り広げられた。
首都圏では金環日食と通勤・通学の時間帯が重なったため、東京・新宿区では大勢のサラリーマンらが足を止めて金環日食の瞬間を待ち、午前7時半過ぎ、見事な光のリングに見入っていた。
東京・渋谷区では、若者らが金環日食を見る姿が見られた他、工事現場では作業員たちが手を止め、中には溶接マスクで観察する作業員もいた。
さいたま市の市立大谷小学校では、全校児童約1000人が、1時間早く登校して観察を行った。金環日食をカウントダウンで迎え、その瞬間には大きな歓声が上がった。日食の観察では、目を傷つけるおそれのある太陽の光に注意が必要だが、学校は安全な観察をするために準備をしていて、目の痛みを訴える児童は出ていないという。
横浜市の動物園「よこはま動物園ズーラシア」では、金環日食だけではなく、動物たちがどういう行動を取るかの観察が行われた。カンガルーは、金環日食の最中は微動だにせず、人が大きな声を上げているのを見ていた。ズーラシアによると、動物たちが金環日食で特別な行動を取る様子は見られなかったという。
金環日食を迎える関東の天気予報は、雲が多いものの北関東は晴れるというものだった。このため、栃木・宇都宮市の東北自動車道・大谷PAには多くの人が観察に訪れた。
日本のこれだけ広い範囲で金環日食となったのは平安時代以来932年ぶりで、次に日本で金環日食が見られるのは北海道で30年となる。