×

川内原発、安全審査“合格”へ

2014年7月16日 12:02
川内原発、安全審査“合格”へ

 原子力規制委員会は16日、再稼働に向けて審査を申請している鹿児島県の川内原発1、2号機について、「新たな規制基準に適合している」とする審査書案をまもなく了承する。

 1年以上にも及んだ審査の内容をまとめた川内原発の「審査書案」では、400ページ以上にわたって川内原発に事実上の「合格証」を与えた根拠が説明されている。

 川内原発1、2号機は、再稼働に向けてこれまでに規制委員会に審査を申請している他の原発に先駆けて、地震や津波、重大事故への審査基準をクリアしたとして、優先的に審査が進められてきた。規制委員会で16日、「新基準に適合している」とする審査書案が了承されたことで、川内原発は厳しくなった新基準のもとで初めてとなる事実上の「審査合格」の判断が下されたことになる。今後、一般から広く意見を募集した上で、早ければ来月中にも正式に審査合格を決定する見通しで、九州電力は地元の同意を得た上でこの秋にも川内原発を再稼働する方針。

 一方、会場の外には原発の再稼働に反対する市民らが詰めかけていて、事実上の再稼働の判断に対し、抗議の声を上げている。

 今後、再稼働に向けたプロセスは規制委員会の手を離れ、ボールは地元自治体に渡ることになる。しかし、最終的な再稼働の判断が誰に委ねられているのか、その責任の所在が曖昧なまま、再稼働へのプロセスが進められようとしている。