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浦安市“液状化”賠償請求 住民側が敗訴

2014年10月8日 12:57
浦安市“液状化”賠償請求 住民側が敗訴

 千葉県浦安市の住民が、東日本大震災で生じた液状化の被害について、土地開発業者が対策を怠ったため被害が拡大したとして、業者側に損害賠償を求めていた裁判で、東京地裁は8日、住民らの訴えを退ける判決を言い渡した。

 この裁判は、浦安市の建売住宅の住民36人が、震災後の液状化により家が傾くなど深刻な被害を受けたことについて、土地を開発・分譲した三井不動産が適切な地盤改良工事を行わなかったために被害が拡大したとして、三井不動産側に約8億4000万円の損害賠償を求めたもの。

 住民側は裁判で「別の業者が販売した近くの住宅地では、液状化対策がとられており被害が発生していない。土地が分譲された約30年前でも、浦安市の土地が液状化しやすいことは認識できたはずだ」と主張した。しかし、8日の判決で、東京地裁は「土地が分譲された当時は東日本大震災のような規模の地震が発生し、液状化被害が発生することを予測することは困難だった」「三井不動産側の対策が不十分だったとはいえない」として、三井不動産側の過失を否定し、住民の訴えを退けた。

 三井不動産は「当社の主張が認められた」とコメントしている。