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2歳未満のこどもがいる男性を対象にアンケート「子育てが大変」「つらい」「やめたい」など半数近くに…東京・豊島区

2024年3月19日 20:08
2歳未満のこどもがいる男性を対象にアンケート「子育てが大変」「つらい」「やめたい」など半数近くに…東京・豊島区
東京・豊島区は、2歳未満のこどもがいる男性を対象に行ったアンケートの速報値を19日、公表しました。子育て開始から1歳までで「(子育てが)大変だ、つらい、やめたいと感じたことがある」と答えた人が半数近くにのぼるなど、男性も育児に悩む現状が浮き彫りになり、豊島区は、男性についても、出産前から出産後まで支援を充実させると発表しました。

豊島区によりますと、アンケートは2歳未満のこどもがいる男性住民を対象に、2月に実施され、速報値では、回収率47.9%、1561人から回答を得たということで、こうした男性の育休や子育てをめぐる住民アンケートを自治体が行うのは初めてではないかということです。

結果の分析は、産婦人科医で男性育児を支援する団体「Daddy Support協会」の平野翔大医師が行い、19日は、平野医師が説明を交えて、速報値を発表しました。

まず、回答した男性の育休取得率は63.8%でした。国が発表している約17%よりもかなり高いことについて、平野医師は、育児に積極的な男性が回答しているからではないかと解説しました。取得期間で一番多かったのは、1か月から3か月未満で24.2%、ついで、2週間から1か月未満が22.1%、5日から2週間未満が16.2%でした。

家事・育児時間について聞くと、(注:1日2時間半だと週17時間半となる)週20時間以上家事・育児をする人は、育休中では44。5%にのぼり、育休取得した人が仕事復帰後は26.9%でした。一方、育休中に週10時間未満と答えた人も36.4%いて、平野医師は「取るだけ育休」と言われてしまうと指摘しました、

そして、仕事(休憩除く)の時間と通勤時間時間を聞くと、あわせて10時間以上と答えた人は全体の約45%にのぼり、平野医師は、育休を取った人でも仕事に復帰後は長時間働く状況にあると述べました。

そして、メンタルヘルス面では、子育て開始から1歳までに「(子育てが)大変だ、つらい、やめたいと感じたことがあるか」と聞くと、「ときどきある」が29.8%、「たいてい」(10.1%)「いつも」(5.4%)をあわせると45.3%にのぼり、半数近くが負担を感じていることがわかりました。

また、仕事を減らすのではなく、睡眠を削って、家事・育児時間を作り出していると推察される回答もあり、平野医師は、「睡眠は、メンタルヘルス不調と相関がある」「知らず知らずのうちに不調に陥っている人がたくさんいる」と指摘しました。

また、平野医師は、「男性も育児に悩んでいるが、相談しづらい傾向もある」「女性がこどもを産めば育てられるわけではないのと同様、男性もこどもがいたら育てられるわけではない」「核家族化の中、赤ちゃんを見たこともない人も多い上、今の30歳代が育った頃は、父親の育児は限定的で、男性のロールモデルもない。男性は妊娠、出産、育児の何を知ればいいか、それすらわからない」と解説しました。

平野医師は、「男性は女性よりも知識を知りたいという傾向もあり、育休に入る前、妻が妊娠中の早い段階で、男性が、こどもや育児などの基礎知識を詳しく得られる機会を提供する必要がある」と強調しました。そして育児と仕事の両立のため、「社会的育児・支援の情報を男性にも伝わるように工夫すべき」と指摘しました。

豊島区は、男性の育児支援を充実させる方針を打ち出し、父子手帳(仮称)を作って配布することや、民間団体とも協力して、男性への情報発信や啓発ツール作成を進めると述べています。

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