「袴田事件」DNA鑑定妥当だったか検証へ
いわゆる「袴田事件」で死刑が確定し、去年3月に再審・裁判のやり直しが認められた袴田巌さんについて、東京高裁が再審決定の決め手となったDNA鑑定が妥当だったか、検証実験を行う見通しとなった。
静岡県で一家4人が殺害された「袴田事件」では、去年3月に静岡地裁が裁判のやり直し・再審を認め、死刑が確定していた袴田巌さんが釈放されている。再審決定は弁護側のDNA鑑定で犯行時の衣類の血痕から袴田さん以外のDNAが検出されたことを最大の根拠としているが、検察側が「弁護側の鑑定は独自の手法を用いていて信用できない」と不服を申し立て、東京高裁で審理が続いている。
こうした中、弁護団によると、16日に行われた協議で東京高裁が「弁護側のDNA鑑定が妥当かどうか検証したい」との強い意向を示し、検証実験が実施される見通しとなった。
検証実験が行われることで、袴田さんの再審を最終的に認めるかどうかの裁判は長期化が避けられない情勢。