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“史上初”将棋の8大タイトル独占 21歳の大偉業も…藤井八冠「まだまだ伸びしろは…」

2023年10月12日 20:03
“史上初”将棋の8大タイトル独占 21歳の大偉業も…藤井八冠「まだまだ伸びしろは…」
史上初めて、将棋の8大タイトル独占を達成した藤井聡太八冠が、12日に開かれた会見で新たな決意を語りました。数々の“最年少記録”を打ち立て続ける藤井八冠。若き天才が目指す次なる高みとは…。

    ◇

将棋界すべてのタイトルを手中に収めた21歳。偉業達成から一夜明け、会見に臨みました。

「八冠獲得ということで、両手で八という数字を作っていただけますか?」

藤井聡太八冠は“八冠ポーズ”のリクエストに笑顔で応えました。

藤井聡太八冠(21)
「うれしい気持ちとともに、これまで以上に将棋の内容であったり、そういったところでも高いレベルが要求される」

うれしさとともに、八冠としての責任を感じていました。

11日に行われた「王座戦五番勝負 第4局」。相手は、一緒に将棋を研究するなど互いの手の内をよく知る永瀬拓矢前王座(31)です。形勢が二転三転する“シーソーゲーム”となりました。

終局の1時間ほど前、藤井八冠の地元、愛知・瀬戸市で応援している人が手にしていたのは、地元の和菓子店が作った“逆転もなか”です。過去に藤井八冠が劣勢になっている中、この将棋の駒の形をした“もなか”を食べながら応援したところ、逆転勝利したことがあったため“逆転もなか”の異名がつきました。

そして――

住民
「やった~! 逆転もなか!」

その名の通り、藤井八冠が逆転し、住民は笑顔を見せていました。

    ◇

藤井八冠は初めてのタイトル「棋聖」を獲得してから、わずか4年足らずで8つのタイトルを独占することになりました。

21歳で将棋界の歴史を変えた“若き天才”。プロ入りは14歳、中学生の時でした。

藤井聡太八冠(当時14)
「(5歳のころから)ずっと将棋を毎日してきたので、自分の一部のような感じ」

“学ラン姿”で挑んだデビュー戦の相手は加藤一二三九段です。

なんと「62歳差対局」を制し、公式戦初勝利の“最年少記録”を更新すると、その後も数々の“最年少記録”を打ち立て続け、20歳10か月で七冠を達成しました。

これは“レジェンド”羽生善治九段が七冠を達成した年齢を4歳以上も下回る記録です。

21歳が成し遂げた大偉業に同い年の人たちからは…

大学生(21)
「自分は小学校の先生になるので、テレビを通してすごく活躍している姿を知っているので、同い年で影響される。頑張らないとなと思うことが多い」
「(14歳の時は)将来の夢とか全然決まっていなかった。何かに打ち込めるのは尊敬できる」

大学生(18)
「とにかく次元が違う。自分とは住む世界が違う。神ですね」

さらに人生の先輩からは…

66歳
「学生時代は遊んでばっかり」

73歳
「恥ずかしくなっちゃう。(当時)目標あったのかなって思う。DNAが違うのかな」

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無限の可能性を秘める21歳。会見では、今後、どこまで強くなるのか問われました。

藤井聡太八冠(21)
「まだまだ伸びしろは、改善の余地が多いかなと思う。10代のころと違って意識的に取り組んでいかないと、やはり棋力を伸ばすのは難しくなってきている」

藤井八冠は以前から“棋士のピークは20歳から25歳”と語っています。

現在は、「竜王」のタイトル防衛のため「七番勝負」に臨むなど、常に追われる立場となりました。

その自らの予想をも超えてしまうのか、今後のさらなる活躍に期待がかかります。