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マカオのカジノ“投資詐欺”か 約2800万円出資したものの…女性が“被害の実態”訴え 賠償求め11日にも提訴へ

2024年7月10日 21:30
マカオのカジノ“投資詐欺”か 約2800万円出資したものの…女性が“被害の実態”訴え 賠償求め11日にも提訴へ

マカオのカジノ事業への投資名目で、金をだまし取られたとして、出資者らが被害を訴えています。出資した金を返してもらえず、父親の葬儀費用の支払いも難しい状況に─。女性が訴えた被害の実態とは。

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投資被害にあった松田直子さん(44)
「元本保証で月に配当が入ってくると言われたので、おいしい話かなという感じでやったのがきっかけですね」

“投資詐欺の被害”にあったと訴える松田直子さん。

知人からの紹介で、20年以上にわたり、クリニックの事務で働き、コツコツとお金を貯め、家族の貯金などと合わせて約2800万円を投資したといいます。

投資したのは、「マカオのカジノ事業」。

訴状などによると、今回、投資を募っていたのはコンサルティング会社「CYCマネジメント」の役員を名乗る50代の男性2人。

役員らは、少なくとも2014年以降、マカオのカジノで、VIP客に金を貸し付ける事業への投資を勧誘していたといいます。

男性役員(50代)
「元本保証で毎月1.5%の配当がもらえる」

このようなうたい文句で、全国700人以上から、約100億円を集めていたとみられます。

役員らは、実際に松田さんらをマカオでカジノを運営する有名ホテル「МGМ」に連れていき、カジノで大金が動く様子を見せ信用させていたほか、勝手にМGМのロゴを使い、預り金の受領証を発行するなどしていたということです。

投資被害にあった松田直子さん(44)
「これで信用した部分もありますね。『MGMも関わっている会社なんやな、CYCさんが』って思いました」

当初は払われていたという配当金。しかし、4年前に突然、入金が止まったといいます。出資者らが役員2人を問い詰めたところ、実は事業自体が架空の投資話だと認めたというのです。

NNNは、役員とのやりとりの音声を入手しました。

出資者
「ポンジ・スキーム(投資詐欺)で元金崩して、配当払っていたわけではないですよね?」

会社役員
「んーまぁ本当正直言うと、元本崩したことはある」

   ◇

松田さんらは元本の返金を求めましたが、「新型コロナ禍でマカオに行けず、返金作業ができない」などと返金に応じず、現在は連絡も取れないといいます。

生活が苦しくなった松田さん。今は父親が亡くなった際の葬儀費用も借金をしないと払えないような状況に…

投資被害にあった松田直子さん(44)
「もう本当に(金を)返してほしい。連絡もないし何もないから、とりあえずどうなるのかを直接聞きたい」

役員のうちの1人は、先週、NNNの取材に…

役員(先週、NNNの取材に対し)
「何も答えることはない」

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松田さんら出資者10人は、役員2人が最初から金をだまし取る目的で集めたとして、約5100万円の損害賠償を求め、11日にも大阪地裁に提訴する方針です。