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2023年版環境白書「ネイチャーポジティブ」の考えを初めて提唱

2023年6月9日 10:48
2023年版環境白書「ネイチャーポジティブ」の考えを初めて提唱

政府は9日、2023年版の環境白書を閣議決定しました。生物多様性の損失を止め、反転させる「ネイチャーポジティブ」の考えが初めて提唱されています。

今年の環境白書のテーマは「ネットゼロ、循環経済、ネイチャーポジティブ経済の統合的な実現に向けて」です。

温室効果ガスの排出ゼロを目指す「ネットゼロ(炭素中立)」、3Rなどの推進で、製品の生産から廃棄に至る過程の全体で、資源循環を進める「循環経済」に加えて、環境白書では初めて生物多様性の損失を止め、回復に転じさせる「ネイチャーポジティブ(自然再興)」の考え方が提唱されました。

西村環境相は「気候変動や生物多様危機的な状況にあり、これらは相互に関連している」とした上で、3つの分野について「個々に取り組みを進めるだけでは、危機的な状況を回避できないことから、一緒に実現を目指す行動が必要である」と強調しました。

白書では企業や地域による取り組みや、衣・食・住に「移動」を加えたライフスタイルの見直しに関する具体例も紹介されていて、環境省はこうした取り組みを推進し、豊かな暮らしや「well-being(肉体的・精神的・社会的に満たされた状態)」につなげたいとしています。