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国民の支持を得られない状況に 大会組織委

2015年9月2日 3:52
国民の支持を得られない状況に 大会組織委

 アートディレクターの佐野研二郎氏がデザインした2020年東京オリンピックの「エンブレム」に対し、盗用や資料写真の無断転用が指摘されていた問題で、大会組織委員会は1日、オリンピック・パラリンピック両方のエンブレムの使用を中止すると発表した。

 大会組織委・武藤事務総長「このような事態になったことに対して、国民のみなさま方に大変ご心配をおかけし、大変申し訳ないと思っております。(佐野氏から)原作者という立場で取り下げるとお話がありました。国民からの支援がないそういうエンブレムを使い続けることが、東京オリンピック大会を成功に導く考えにそぐわないと考えた次第であります」

 組織委員会の武藤事務総長は、「佐野氏のデザインは独自性があり、模倣ではない」と強調した上で、国民の支持や理解を得られない状況になったことが使用中止を決断した理由だと語った。

 佐野氏には1日に面会して取り下げの申し出を受けたということで、その際、佐野氏は空港や街での展開イメージとして提出した画像を、インターネットの個人サイトから無断で流用していたことを認めたという。しかし、武藤事務総長は、白紙撤回に至った組織委員会や審査委員会の責任については明言しなかった。

 武藤事務総長「いろんなかたちで専門家が関与して、みんなが責任を分担してこういう結論をだすと、誰か1人が責任を負うことではないだろうと思う」

 また今後は、取り下げで迷惑が掛かるスポンサーに対して丁寧に事情を説明していくとした上で、できるだけ早く新しいエンブレムを公募する方針だと述べている。