原発事故めぐり初の現地検証へ 福島地裁
福島第一原発事故の被災者約4000人が原発事故の責任追及や原状回復などを求めて国と東京電力を訴えている通称「生業訴訟」の裁判で、17日、福島地方裁判所は現地検証を行う意向を示した。原発事故をめぐって裁判所が現地検証を行うのは初めて。
これは、17日の口頭弁論で、原告側の本人尋問終了後に、福島地裁の金澤秀樹裁判長が法廷で述べたもの。
原告側はこれまで、裁判所が原発事故の被災地を訪れ直接、被害の実態を検証するよう求めていたが、国側は、書面などで十分で、裁判所による現地検証の必要性はないと主張していた。これに対し、福島地裁の金澤裁判長は、「裁判所として現地の検証を行いたいと考えている」とした上で、来年3月に浜通りの被災地を訪れ、検証を行う意向を示した。
裁判所による現地の検証はこれまでに水俣病などの公害訴訟や、米軍基地の騒音訴訟などで行われている。原告側弁護団によると、福島第一原発事故をめぐって裁判所が現地検証を行うのは初めてだという。