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除染土“可能な限り再利用”環境省が方針案

2015年12月21日 14:51

 東京電力・福島第一原発事故に伴う除染で出た福島県内の放射性物質を含む土をどう処分するかについて、環境省は21日、「可能な限り再利用し、最終処分する量を減らす」などとする基本的な方針案を示した。

 政府は、福島県内の除染で出た大量の放射性物質を含む土などを、福島県の大熊町と双葉町にまたがる地域に建設予定の中間貯蔵施設で保管し、30年以内に福島県外で最終処分する方針だが、どこでどのように最終処分するかは、まだ決まっていない。

 こうした中、環境省は21日に開かれた専門家会議で、処分の基本的な方針案を示した。案では、除染土の容積を減らす「減容化」をした上で、土木工事などの公共事業で可能な限り再利用し、最終処分する量を減らすことが基本的な考え方として示されている。そのために、来年度までに再利用のための指針を取りまとめ、その上で、実際に再利用のモデル事業を始めるとしている。

 また、今後10年程度で減容化の技術開発を完了させる一方、それと並行しながら最終処分が必要な土の濃度や量を推定し、最終処分に必要な面積や施設の構造を検討するとしている。

 これに対し、会議に出席した委員からは、「再利用先が見つからないと絵に描いた餅になる」、「住民と双方向のコミュニケーションを行うべきだ」などといった意見が出された。

 環境省は、今年度中にこの案を正式に取りまとめたい考え。