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さいたま市RPGが経済活性化につながる?

2016年3月9日 21:16
さいたま市RPGが経済活性化につながる?

 インターネット上で話題となった言葉を毎回一つ取り上げ、日テレNEWS24・デジタル編集チームが取材する「Hot Word」。9日は「地方創生RPG」。

 さいたま市を舞台にしたスマホ用RPGが登場した。その名も「さいたま市RPG ローカルディア・クロニクル」。通常、RPGは架空世界が舞台だが、これは「架空のさいたま市」が舞台。ゲームを進めると、さいたま市への知識や理解が自然に深まる仕組みで、「ゲームによる郷土理解」がテーマとなっている。

 この仕組みが評価され、2015年の「さいたま市ニュービジネス大賞」で、ビジネスプラン賞にも輝いた。

 どのようにしてさいたま市を学ぶのか?例えば、このゲームのマップとさいたま市の地図を比較すると、形は一緒。これで、さいたま市の地形が自然と学べる。

 また、さいたま市は10の行政区に分かれているが、実はさいたま市民でも10区全てを言える人は、あまり多くないという。そこで、このゲームでは10の国を登場させ、10区にちなんだ名前をつけた。例えば…

さいたま市北区は「ノースノース王国」
(北=North)

さいたま市大宮区は「ラージシュライン公国」
【Large(大)+神殿や聖堂を意味するShrine(宮)】

さいたま市見沼区は「ルックスワンプ王国」
(見る=Look+沼=Swamp)

 また、ゲーム中には「コロッセオ2002」という施設が登場する。これはさいたま市緑区にある日本最大級のサッカースタジアム「埼玉スタジアム2002」がモチーフだ。

 このゲームに対し、ネット上では「神ゲーの予感」「埼玉に縁もゆかりもないけどやりたい」「どうやって地方活性化するの?」といった反応があった。

 どのようにして「地方活性化」につなげていくのか?まず、スマホを持って、さいたま市の各所を回ると、GPSによってアプリに訪問データが登録され、ゲームの中で強力なアイテムを手に入れることもできるという。

 さらに、地域企業や店舗との連携を進めていて、ゲームの中にあるくじ引きイベントでクーポンをゲットすると、実際のお店で、そのクーポンが使える仕組みになっている。スマホを持って実際にさいたま市に行ってみたくなるようになっているわけだ。

 スマホのゲームは、最初は無料で、後からお金がかかるイメージがあるが、このゲームはどんなに遊んでも最大1500円しか課金されないシステムになっていて、気づいたら高額請求が来ることはないという。

 アプリを作ったさいたま市の会社「井桁屋」の高久田洋平社長に聞いた。高久田社長は大学生の時、歴史学を学んでいて、自分の出身地であるさいたま市の歴史を「もっと深く皆さんに知ってほしい」という思いから、今回、このゲームを作ったという。

 また、高久田社長は「このゲームの本当のゴールは、郷土の誇りを大人から子どもへ。そして、次の世代へ語り継ぐこと」と考えている。

 ゲームの正式なリリース日は決まっていないが、4月をメドに配信できるよう準備している。