メンタルケア必要な妊婦 年間推計で4万人
うつ病などの精神疾患の疑いやケアが必要とされる妊婦が全国で年間推計4万人にのぼることが、厚生労働省の研究班の調査でわかった。
厚生労働省の研究班は、全国の1073の分娩(ぶんべん)施設で去年11月の1か月間に出産した3万8895人の女性を対象に、うつ病などの精神疾患の疑いがあり、ケアが必要と考えられる女性がどのくらいいるか調査を行った。
その結果、全体の4パーセントにあたる1551人の女性に、うつ病の疑いや精神的な不安などがあることがわかった。全国では、推計で年間4万人にのぼるとみられるという。
一方、こうした妊婦たちのケアにあたったのは、専門外の産婦人科医などが約80%を占め、精神科などの専門医によるケアは約20%にとどまっているという。
研究班のメンバーで日本医科大学・産婦人科の中井教授は、「妊婦のメンタルケアを行う専門医の育成が必要だ」と話している。