先月、東京メトロの駅で盲導犬を連れた男性が線路に転落して死亡した事故を受け、目の不自由な人でつくる団体が１６日、石井国土交通相に駅のホームドアの設置促進を要請した。

　日本盲人会連合の竹下会長らは１６日、石井国交相に面会し、危険な駅全てにホームドアを設置することや、ホーム上の点字ブロックについて線路側の向きを把握しやすい構造にすることなどを求めた。

　日本盲人会連合・竹下義樹会長「我々盲人の中ではホームのことを『欄干のない橋』という言い方をしているが、慣れた駅でも人にぶつかったりすると方向を変更してしまうために、気づいたらそこは線路の上ということをみんな経験している。転落事故を防ぐことは不可能じゃないんです。ホームドアさえ作れば」

　ホームドアは全国で６６５の駅に設置されているが、今回の転落事故を受けて、国土交通省は鉄道会社にホームドアの設置費用を補助する予算として１５０駅分、合計６７億円を新たに計上したほか、駅員による声かけなどソフト面での対策も強化する考え。