「保育園の建設断念」解決策あるか?
東京・吉祥寺の住宅街に開設予定だった認可保育園が、住民の同意が得られず、建設を断念したことがわかった。保育園の開設を断念・延期するケースが相次いでいるが、どんな解決策があるのだろうか。
保育園の建設については、住民側に十分な説明がなされなかったことが原因で、こじれてしまうケースもある。そこで、厚生労働省が推進しているのが、「地域連携コーディネーター」という制度だ。
具体的には、建築関係のコンサルタントや保育に関わった経験のある人に「仲介役」となってもらう制度だ。建築関係のプロがうまくプレゼンテーションをしたり、保育の経験のある人が、“子どものいる環境の重要性”を地域住民に説明することで理解を深めようというのが狙いだ。
ただ、住民からの批判や問題提起の中には、根拠がある場合もある。その場合は、ただ説明をすれば、うまくいくというわけでもない。そこで、このコーディネーターには、ある意味では「課題解決」の役割も期待することになる。
具体的には、解決できることがあるのであれば、事業者の人や行政に対してそれらを提案し、住民の人々と和解していくという仕事も期待される。
【ニュースメモ】吉祥寺の保育園が建設断念
東京・吉祥寺の住宅街に開設予定だった認可保育園が、住民の同意が得られず建設を断念したことがわかった。武蔵野市などによると、付近の住民が「市から住民への説明がないまま建設計画が承認された」「保育園に面した道が狭く交通量が多いため危険」などとして、計画の見直しを求めていたという。
運営する事業者は、「住民の同意が得られる見通しが立たず、開園後の不安がある」として市に建設見送りを伝えたということで、武蔵野市長は「待機児童解消に向けた事業として期待していたが大変残念」とコメントしている。