園児宣誓「安倍首相がんばれ」野党側が追及
学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐる問題で、国会で野党側は、森友学園が運営する幼稚園が運動会で「安倍首相がんばれ」などと宣誓させていたことを取り上げ、安倍首相を追及した。
森友学園が運営する幼稚園が2015年に行った運動会の映像で、園児4人は次のように選手宣誓をしていた。
園児「大人の人たちは日本が他の国々に負けぬよう、尖閣列島・竹島・北方領土を守り、日本を悪者として扱っている中国・韓国が心改め、歴史教科書でウソを教えないようお願いいたします。安倍首相がんばれ!安倍首相がんばれ!安保法制、国会通過よかったです」「日本がんばれ、エイエイオー」
全員「日本がんばれ、エイエイオー」
子どもたちが発した「安倍首相がんばれ」「安保法制、国会通過よかったです」。27日の国会では、こうした宣誓が、教育基本法で禁止されている政治活動にあたるのではないかと野党側が安倍首相を問いただした。
民進党・福島伸享議員「総理自身、このことを教育基本法上、何らか違反していると問題に思いませんか」
安倍首相「この学校において行われている教育の詳細については、まったく承知しておりません。『安倍総理がんばれ』とかそういうことを園児に言ってもらいたいということは、まったくさらさら考えてはいないわけでありますし、そういうことは、私は適切ではないと思っております」
安倍首相は、森友学園の教育内容については所管する大阪府が監督するもので、文科省が事実確認をしていると説明した。
国会で追及が続く森友学園をめぐる問題。その発端は、小学校建設のために売却された国有地だ。国側は当初、その土地の値段を9億5600万円と評価していたが、「地下に大量のゴミがある」という森友学園の主張に基づき、撤去費用として見積もられた約8億2000万円が差し引かれて売却された。
この「地下のゴミ」について、国会では、掘り出されたゴミを含む土を「埋め戻した」という業者の証言が取り上げられている。これについて、森友学園の籠池理事長は26日、「産廃を埋め戻したというような事柄についてですね。我々はそういうことをいたしておりません」と否定した。
森友学園側は、工事の作業スペース確保のために敷地に穴を掘り、ゴミ混じりの土を「仮置き」したと説明。27日に豊中市が行ったヒアリングで、施工業者も廃棄物混じりの土を現場敷地内に「仮置き」したとほぼ同じ説明をしたが、今後、豊中市は用地の調査に乗り出す方針だ。
野党側は参議院でも森友学園をめぐる問題などを引き続き追及する考え。