豊洲市場の移転問題を審議する東京都議会の百条委員会に浜渦武生元副知事が証人喚問され、東京ガスとの『水面下の交渉』について、裏取引があったのでは、という指摘を否定した。

　浜渦元副知事は、石原慎太郎元知事の側近として、東京ガスとの交渉の初期段階で中心的役割を果たした。証人喚問の焦点となった『水面下の交渉』について、浜渦氏は、「東京ガスからの提案で、相手のことを考え丁寧な交渉をした」と述べ、裏取引の存在などははっきりと否定した。

　浜渦元副知事「東京ガスさんが水面下という単語を使いましたから、丁寧にそうしましょうと。悪い言葉だとは思っていません」

　また、自分の役割については、一貫して「用地の取得交渉までで、基本合意後は土壌汚染対策にかぎらず、豊洲の開発に関わっていない」と主張した。

　その上で、土壌汚染対策については、「東京ガスがやると口頭で合意していた」と繰り返し、その後、都が負担することになったのを、「勝手なことをしてくれたと思う」と証言した。

　一方、現在生じている混乱の責任について問われると、声を強める場面もあった。

　浜渦元副知事「どこに責任があるんですか。そういうあっただなんだ言うけれども、そういうことはありません。当時はよくぞ東京ガスと交渉をまとめていただいたと、皆さんから称賛されたんですよ。今から振り返っての話じゃないんです」

　２０日の石原元知事への証人喚問は、体調を考慮して時間を短縮し、１時間で行われる。