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BBQ“炭”でヤケド…砂に埋めて消える?

2017年9月1日 19:02
BBQ“炭”でヤケド…砂に埋めて消える?

 この時期、多くの人が楽しむバーベキュー。マナー違反が思わぬ事故につながることがある。北海道で8月、砂浜で遊んでいた小学生が、突然、足の裏をヤケドした。原因は、砂に埋められていたバーベキュー用の炭だった。


■砂浜に響いた悲鳴 はだしで焼けた炭を…

 北海道・積丹半島の先端にある積丹町。海に広がる鮮やかな青のグラデーションは、“積丹ブルー”とも呼ばれている。その海がある砂浜で8月16日、夏休みに家族4人で遊びに来ていた小学2年生の男の子が、砂に埋められたバーベキュー用の炭をはだしで踏み、両足の裏をヤケドするという事故があった。母親はこう話す。

 「子供が急に『ギャー!』という声をあげたので、最初、主人が近寄って行ったんですが、よく見たら砂に埋まった炭が見えている状況で」

 男の子の両足の裏は赤くなっていたという。救急車で病院に搬送され治療を受けたが、2週間たったいまも左足の痛みがひかず、通院しているということだ。


■SNS上に同じ経験をした人が多数

 近くの海の家の人はこう語る。

 「以前からここの海だけじゃなくて。炭の放置の問題ってどこのキャンプ場とかでも、『炭落ちてるね』『危ないから拾おう』とか、他の方が拾って片付けたりとか」

 そこで、注意喚起の意味も込め、男の子の両親の了解を得て写真をフェイスブックに投稿したところ、同じような体験をしたという人たちから多くの書き込みがあった。

 「うちの息子も去年、浜でキャンプしたときに同じヤケドをしました」

 「私の娘も、何年か前に海で火のついた炭を踏んでヤケドしたことがあります」


■炭はどう処理する?

 砂浜の清掃活動に密着すると、多くの炭が捨てられていた。火のついた炭を砂で埋めるとどれだけ危険なのか、専門家立ち会いのもと実験した。使ったのは少し湿った川砂だ。

 埋められた直後、砂の温度は冷えたままだが、1時間後には温められた砂は80℃を超えた。2時間後でもまだ80℃近くを保っていた。専門家はこう話す。

 「基本的に炭っていうのは、すぐに消えるものではありませんので、それを土の中とか砂の中に埋めておくと、逆にそこでずっとくすぶり続けてしまいますので」

 実際に、2014年には兵庫県赤穂市の山林で、バーベキューの炭の不始末が原因で山火事が発生し、炭を捨てた男が逮捕される事件が起きている。

 では、火のついた炭はどのように処理すればいいのだろうか。日本バーベキュー協会では、“火消しツボ”を使った処理をすすめている。ツボに入れた炭は1時間後には冷え始め、2時間後にはほぼ冷える。

 また、火消しツボがない場合、水をはったバケツにしっかりと炭をつけ、完全に消火させる方法も有効だということだ。


■心に傷も…

 両足をヤケドした7歳の男の子は、今もまだ心に傷が残っているという。母親はこう話す。

 「“炭”というキーワードを聞くと、いまでも『熱かった』って言ったり、やはり砂浜が怖い思い出になってしまったようで、その辺の(心の)ケアはしてあげなきゃなと思っています」

 今回の事故を通じて、正しい炭の処理方法が周知され、同じ事故が起こらないよう願っているということだ。

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